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富岡鉄斎
瓢鮎図
Tomioka Tessai
catfish
掛軸 絹本 31cm×42,5cm(総丈143cm×59,5cm) 箱入 大阪美術倶楽部鑑定委員会鑑定書取得保証致します。
作品の状態について
画面、表装に巻きシワがあります。
瓢壓鮎尾
可以羹之
奈何無飯
欲把沙炊
梵芳禅師詩畫仿土佐又平治
鐵齋外史
※「鮎」の字はナマズの意味で、アユを意味するのは国字として用いられる場合のみ。
※「之」の字は篆書体。
(読み)
瓢もて鮎尾を圧し、以て之を羹(あつもの)にすべし。飯無きを奈何(いかん)せん、沙を把って炊かんと欲す。
梵芳禅師が詩。画は土佐又平治に仿ふ。鉄斎外史。
(大意)
瓢箪でナマズの尻尾を抑えつけて、(ナマズの)吸い物を作ったらいい。しかし、飯がないのはどうしたものか。沙(すな)を炊いて飯でも作るのか(そんなことは、永遠に無理だ)。
室町時代の禅僧玉畹梵芳の賛詩。絵は土佐又平治の作をまねる。
(印章)
・朱文方印「銕道人」 牧縁刻
・白文印「以画説法」 明治44年(1911) 桑名鉄城刻
[訓読]画を以て法を説く。
[出典]明・李日華『六研斎筆記』巻三
【解説】
一匹の猿が大きな鯰(なまず)を瓢簞で抑えつけています。「丸くすべすべした瓢簞で、ぬるぬるしたナマズを抑えることができるか」という禅の公案をあらわした、室町時代の如拙筆「瓢鮎図」(京都・妙心寺山内の退蔵院蔵、国宝)に基づいた作品です。瓢簞を持つのが「人」ではなく「猿」になっているのは、大津絵の「瓢簞鯰」の手法をそのまま取り入れたためです。猿に置き換えることで、思慮の足りない行動を猿知恵に喩えて諷刺し、笑いをとっています。
賛には、如拙筆「瓢鮎図」の図上にある玉畹梵芳の賛詩が書かれ、これは「瓢簞でナマズを抑えるといった誤った方法では、さながら沙を炊いて飯にするようなもの、永遠に不可能だ」ということを表現しています。また、款記に見える「土佐又平治」は人物画にすぐれた大津絵の元祖であり、鉄斎が師として仰いだ人物です。( 77歳の作「擬土佐又平筆法遊戯人物図」の賛を参照)
大津絵は仏画からはじまり、世俗画に移り、その世俗画が諷刺から道徳的性格に、さらに江戸後期に〈大津絵十種〉が定められ、実用的な「護符」として売られるようになりました。この時、「瓢簞鯰」は〈大津絵十種〉のひとつになり、「諸事円満に解決し、水魚の交わりを結ぶ」という効用が加えられました。(Y)
〇如拙筆「瓢鮎図」(京都・妙心寺山内の退蔵院蔵、国宝) 画僧如拙が手がけた水墨画。四代将軍・足利義持の命により、瓢簞で鮎(なまず)を抑えるという禅の公案を描く。図上には当時の京都五山の禅僧31人の賛詩を伴う。
◯大津絵 江戸時代の初めのから、近江国(滋賀県)大津の追分・三井寺の辺りで旅人の土産物として売り出された民衆絵画。仏画からはじまり、のちには「鬼の念仏」「藤娘」「瓢簞鯰」などの画題が多く描かれた。浅井忠(1856−1907)や富岡鉄斎は大津絵愛好者の先駆けとして知られる。
作家について
富岡鉄斎(1836〜1924)は、京都に生まれた日本画家。
「万巻の書を読み 万里の道を行く」の座右の銘を実践した鉄斎の作品は、壮大なスケールと存在感を放っている。
画は勿論、国学・儒学を修め、幕末には...
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