福沢諭吉
購古銅佛詩
Fukuzawa Yukichi
calligraphy
掛軸 紙本 136,5cm×49,5cm(総丈220cm×65,5cm) 箱入 富田正文読み下し極附
作品の状態について
画面、表装ともに良い状態です。
誰道佛恩能濟人々間濟佛
亦因縁光明赫奕金圓德贖
得觀音墮落身 諭
購古銅佛
《読み下し》
誰か道(い)ふ 仏恩は能(よ)く人を済(すく)うと。人間 仏を済うも亦た因縁。光明赫奕たり金円の徳、贖(あがな)い得たり 観音墮落の身。 諭。古銅仏を購う。
《語注》
◯佛恩 仏の恵み。仏の慈悲の恩 ◯因縁 物事の発生・変化・消滅の直接の原因(因)と、それを助けて結果を生じる間接の力(縁)。 ◯光明(こうみょう) 仏や菩薩が放つ徳の光。 ◯赫奕(かくやく) 光り輝くさま。 ◯金圓 かね。金銭。金員。 ◯観音 実は地蔵像であったらしく、天草円教寺の住職で、慶応義塾の先輩、葦原雅亮はこの詩の横に「先生無学、観音と地蔵の別を知らず」と書き添えたという。 ◯購古銅佛 題を「購銅製観音仏長五尺於芝骨董店。蓋仏像既落于骨董之手、将近日附金工而鎔之者也」「買古仏像」としたものもある。
《口語訳》
誰が仏の恩はよく人間を済度するなどと言うのか。この度は人間である私がこの仏を救ったが、これも前世の因縁であろう。ピカピカに輝くお金のおかげで、観音の落ちぶれた身を買うことができたのだ。
《解説》
明治11年(1878)、廃仏毀釈のため増上寺の仏像が芝の骨董店に流出したのを購入した時に詠んだものを揮毫しています。『福沢諭吉全集』第20巻「詩集」に収録されています。福沢一流のユーモアと皮肉の中に、のちの文化財保護についての主張につながる考えがうかがえます。(昭和37年5月刊『大和文華』第37号所載の高橋誠一郎「福沢諭吉と文化財保護」を参照)(Y)
作家について
福沢諭吉(1835-1901)は、大坂に生まれた思想家・教育者。豊前国中津藩士であった福沢百助の五男。大坂で緒方洪庵の蘭学私塾である適塾で教えを受け塾頭も務めた。その後、江戸に移り蘭学塾(後の慶応義塾)を開塾...
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