大田垣蓮月
煎茶画賛

Otagaki Rengetsu
Sencha

掛軸　紙本　102,5cm×30cm(総丈178cm×32cm) 箱入

作品の状態について

画面は少しヤケていますが、鑑賞に影響するヤケではないと考えています。

くみあけて
　　世にこそ
　　　　　めつれ
　　　　やまふきの
　　花のかふかき
　　　うちのかは水
　　　　　　　　蓮月

【解説】
　円筒形の涼炉の上にのせた急須とその傍らに置かれた四つの煎茶碗が描かれています。急須からは湯気が横に揺れながら高く上がっています。図上には、蓮月の歌集『海人の刈藻』雑部に収まる「くみあげて 世にこそめづれ 山吹の 花の香ふかき 宇治の川水」が書かれています。春、鮮やかな黄色の花を咲かせた山吹の香りが漂う宇治を詠んでいます。(Ｙ)

作家について

大田垣蓮月（1791〜1875）は、京都に生まれた歌人。名は誠、号は蓮月。
千種有功に歌道を学んだ。
夫の没後に神光院月心の門に入り尼となった。
若き富岡鉄斎との交流が有名で、梅田雲浜、梁川星巌らと交わった。

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