富岡鉄斎
水墨仙居図

Tomioka Tessai
Landscape

掛軸　紙本　131cm×33cm(206cm×45,5cm) 共箱　二重箱入

作品の状態について

画面、表装共に良い状態です。

青山萬疊
雲無盡
中有僊人問
月臺
　鐵齋八十又六老人

(読み)
青山万畳 雲尽きること無く、中に僊人の問月台有り。
　鉄斎八十又六老人。

(大意)
青山が幾重にも重なり、雲が尽きることなく湧いて出る。その中に仙人が登って月に対して様々の質問を発する問月台がある。

(印章)
・朱文方印｢百錬老銕｣ 大正10年(1921) 園田湖城刻
・白文方印｢画隠｣ 明治時代後期 桑名鉄城刻
・象形印｢蕉鹿図｣
　[解説]･･･｢蕉鹿｣または｢蕉鹿の夢｣とは、人生の得失は夢のようにはかないこと。

【解説】
　鉄斎86歳の作品です。俗世間を離れた山中にある仙人の住まいを、全体的に淡墨を用いて白黒のコントラストを効かせた表現で描いています。画中には仙人が月に問いかける楼閣「問月台」が見えます。そそり立つ岩肌や山の木々、高山の中腹を包む靄、画面左の勢いよく流れ落ちる飛泉は、清澄な山中の空気を感じさせます。
　賛は『四朝寶繪』巻十六に収録される元・高克恭（1248−1310）の画賛の一つが記されています。鉄斎はよくこの賛を画に添えたようで、《溪山招隠図》や《雲山僊閣図》などにも見られます。(Ｙ)

作家について

富岡鉄斎（1836〜1924）は、京都に生まれた日本画家。

「万巻の書を読み 万里の道を行く」の座右の銘を実践した鉄斎の作品は、壮大なスケールと存在感を放っている。

画は勿論、国学・儒学を修め、幕末には...

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