園田湖城
二行書

Sonoda Kojyo
Calligraphy

掛軸 紙本 129cm×35,5cm(総丈197cm×48,5cm) 箱入

作品の状態について

画面下部分に少しオレがあります。
表装裂に蝋箋紙が使われています。

今人不見古時月
今月曾經照古人
　昭和己丑九月二十又五日 平盦園田穆書
(読み)
今の人は見ず 古時の月、今の月は曽経(かつ)て 古人を照らす。
　昭和己丑九月二十又五日、平盦 園田穆書す。
(大意)
今生きている人間は昔のお月さまを見られない。だが、今のお月さまはずっと大昔から、人々を照らし続けてきたのだ。

　昭和24年(1949)、湖城64歳の作品です。唐の李白の｢把酒問月｣(酒を把って月に問ふ)と題する詩の2句を篆書で揮毫しています。
　若年の作品には篆書や金文の臨書がいくつかあって、臨書でないものでもそれとあまり変わらな書風でしたが、65歳頃からにわかに奔放な書風へと変わります。本作は、若年の臨書のように真っ正直な書きぶりで、湖城が49歳の時に刻した｢園田穆印｣白文方印が捺されています。(Ｙ)

作家について

園田湖城（1886～1968）は滋賀県に生まれた篆刻家。
家業は印判屋で幼少時より文芸に触れる機会に恵まれて育ち、独学で関西印壇の盟主となった。
富岡鉄斎、橋本関雪、神田喜一郎などの当時の文化人と広く交流...

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