貫名海屋
浅峰山水図
Nukina Kaioku
landscape
絹本 117,5cm×42,5cm(総丈196cm×59,5cm)小林卓斉箱書
作品の状態について
画面、表装ともに良い状態です。
大変豪華な表装裂が使われており、床の間映えする一幅です。
茆亭冷々溪林曲山客幽懐
未知足秋影如煙艇若瓜時々
自放瞰停緑
菘翁詩畫
(読み)
茆亭冷々たり渓林の曲、山客の幽懐未だ足るを知らず。
秋影は煙の如く艇は瓜の若し、時々自(みずか)ら放(なら)べて停緑を瞰(み)る。
菘翁詩画
(大意)
茅ぶきの家は寒々とし、山間の小川や林は曲がりくねっている。
山に住む者が心の中に深く抱く思いは、今になっても身の程をわきまえないで、それ以上のものを求めてしまうものだ。
秋らしい景色は煙のようにはかなく、こぶねは瓜の形に似ている。
時々自ら瓜を川に浮かぶ舟のように並べて、その動かない緑色ものを眺める。
菘翁と号を改めた72歳の正月から数年の間に揮毫された作と考えられます。「自在山林趣」白文印、「方竹枝者」朱文印、「造適」白文関防印が捺され、室名と関連づけた「方竹枝者」朱文印は数多くの作品に見られます。居宅の周囲に四方竹が生えていたので室名を方竹園と名付けたと言われていますが、どこの家と限定していたかどうかは定かではなく、普通に室名として用いていたようです。
賛に揮毫されている詩は、『文政十七家絶句』に「題山水図」の一首として収められています。『文政十七家絶句』(加藤淵編、文政12年(1829)刊行)は、当時の著名な詩人17人の七言絶句を約500首収録した「詩人年鑑」ともいうべき詞華集です。海屋は唐詩を好んでいたようで、かつて頼山陽と詩の声律を論じたことは有名です。この詩はもうすぐ冬になる秋の暮れの風景を詠んでいます。中央の大きな木の葉はすべて落ち、枝が露出しており、これから到来する厳しい冬を予感させます。詩は海屋の生活の一部を覗き見たようで面白く感じます。(Y)
作家について
貫名海屋(1778~1863)は、徳島県蜂須賀藩士の子で京都に住み儒学を教える一方、書画もよくし、長崎の鉄翁や、董其昌など明清の画家に傾倒した。儒者としても頼山陽等とは対照的な京都流の保守的な世界に身を置...
ご購入について
当ホームページ上で扱っております作品は、店舗でのご購入だけでなく、通信販売にも対応しております。
作品のご購入は、お電話、お問い合わせフォームよりご連絡ください。当店スタッフが心を込めてご案内いたします。
また、ホームページ掲載作品以外にも多数の在庫がございますので、お探しの作家・作品がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
担当者番号:080-9608-7598
(受付時間:10:00~20:00)
※店を不在にしている事がありますので、担当者携帯にご連絡ください。
※スマホでご覧の場合、上記の番号をタップで電話が掛けられます。
ご購入の流れ
お問い合わせ
お電話・お問い合わせフォームよりご連絡ください。
ご注文の確認
送信内容の控えを自動でお送りしております。
もし届かない場合はトラブルにより
届いていない可能性がありますのでご連絡下さい。
ご注文の確定
ご注文内容の確認をさせて頂きます。
お越し頂いてのご確認ももちろん可能です。
代金のお支払い
通販のお支払い方法は、
銀行振込(先払い)のみとなっております。
店頭ではクレジットカードもご利用頂けます。
商品の発送
きっちりと梱包してお届けいたします。