本阿弥光悦
十月二十四日付消息

Honami Koetsu
Letter

掛軸　紙本　28cm×39cm(総丈110cm×52cm) 鳥海青児箱書

作品の状態について

画面が少しアレていますが、鑑賞に影響するアレではないと考えています。
表装は品の良い裂で仕立てられています。
今は無いですが、表具屋・中村鶴心堂で仕立てられています。

廿六日之晝御
出之事本望
存候 謹言
　十
　　廿四日 光悦（花押）
　一　十郎殿　七殿
　御相客ニ候

〈読み〉
廿六日の昼、御出での事、本望に存じ候。謹言。
　十（月）廿四日 光悦（花押）
　一、十郎殿、七殿、御相客に候。

〈大意〉
二十六日の昼、お越しくださるとの事、誠に嬉しく存じます。一言申し上げます。
　十月二十四日　光悦（花押）
　一、十郎殿ならびに七殿が御相客としておいでになります。

〈解説〉
　宛名を欠いているので、誰に宛てたものか分かりませんが、光悦が茶会に招いたのに対して、参会する旨の返事を受け取ったものに対する返書です。「お越しくださるとの事、誠に嬉しい」とお礼を述べています。
　豊潤でありながら切れ味の鋭い筆致で、一気呵成に筆を走らせたようです。また、紙面前後の余白が一つの美を作っています。（Ｙ）

作家について

本阿弥光悦（1558～1637）は、刀剣の研磨、鑑定を家業とする本阿弥家に生まれる。1615年の大阪夏の陣の後、58歳の時徳川家康から洛北・鷹峯に土地を与えられ、ここに町衆や職人らを集めて光悦村をつくった。
光...

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