本阿弥光悦
消息

Honami Koetsu
Letter

掛軸　紙本　14,5cm×40,2cm(総丈96cm×50,5cm) 箱入

作品の状態について

画面はアレています。
表装上下の裂にアレてある箇所があります。

従五右衛門方
金子壱枚次ニ
貴所茶つほノ
ふたふくろ箱
其外小道具ノ
手間之艮子
請取申候毎年
御馳走本望存候
猶五右衛門可令申候
恐惶謹言　 徳友斎
　　七月十八日 光悦（花押）
　▢庵老 人々御中

〈読み〉
五右衛門方より金子壱枚、次ニ貴所の茶つぼノふた、ふくろ、箱、其外小道具ノ手間銀子請け取り申し候。毎年御馳走、本望に存じ候。猶、五右衛門申せしめ候。恐惶謹言。
　　七月十八日 徳友斎 光悦（花押）
　▢庵老 人々御中

〈語注〉
◯金子（きんす）＝金貨。
◯貴所＝相手の居所を敬って言う語。
◯艮（銀）子（ぎんす）＝銀貨。
◯馳走＝食事などでもてなすこと。接待。饗応。

〈意味〉
五右衛門方から金子一枚、次に貴所の茶壺の蓋、袋、箱、そのほかの小道具の手間賃の銀子を請け取りました。毎年のお世話（おもてなし）、満足に存じます。なお、詳しくは五右衛門が申します。恐れながら申し上げます。
　　七月十八日 徳友斎
　▢庵老 お取つぎのほどを

〈解説〉
　五右衛門から金貨と茶壺の蓋・袋・箱などの手間賃の銀貨の請取状です。力強い文字構成の中に、ふっくらとした豊かさが感じられる書きぶりです。濃淡潤渇の兼ね合いも美しい。(Ｙ)

作家について

本阿弥光悦（1558～1637）は、刀剣の研磨、鑑定を家業とする本阿弥家に生まれる。1615年の大阪夏の陣の後、58歳の時徳川家康から洛北・鷹峯に土地を与えられ、ここに町衆や職人らを集めて光悦村をつくった。
光...

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