犬養毅
三行書

Inukai Tsuyoshi
Calligraphy

掛軸 紙本 148cm×45cm(総丈203cm×59cm) 箱入

作品の状態について

画面、表装ともに良い状態です。
晩年に書かれた優品です。

木葉蕭條烟霧濃層々青嶂
削芙蓉詩人好句従何得
只在波光樹影中　木堂
(読み)
木葉蕭条として 煙霧濃し、層々たる青嶂 芙蓉を削る。
詩人の好句 何(いづ)く従(よ)り得ん、只だ波光樹影中に在らん。　木堂。
(大意)
木葉はものさびしく、辺りは濃い煙霧で覆われている。そんな中で幾重にも重なりあう青々とした峰は、蓮の花を削り出したようである。詩人が詠む善い文句はどこから得るというのですか。それは、ただ煌めく波と樹影の中にだけある。
(印章)
・｢毅字子遠｣白文方印　徐星州刻
・｢木翁｣朱文方印　徐星州刻
・｢率真｣朱文楕円印　伊秉綬刻
　 (意味) 誠実で偽りがない。

　手足の長い行書を伸びのある線で揮毫した晩年の木堂らしい作品です。一点一画に鋭い気魄がこもり、筆遣いの奥に蓄積された素養の深さを感じさせます。
　木堂は、幅広い知識を持ちながら、特に宋の書を好み、なかでも黄山谷をよく学びました。技巧と品格の一致を大切にする一方で、書は｢面の芸に帰する｣と語ったことも有名で、書の行き着くところは結局人間性の問題であると説きました。(Ｙ)

作家について

犬養毅（1855〜1932）は、岡山県出身の政治家。
第一回衆議院議員選挙以来、亡きなるまで落選する事がなかった。
大正期の憲政擁護運動でも活躍。総理大臣となり、満州事変収拾につとめたが同年の五・一五事件...

販売と買取（鑑定・査定）について

当店では犬養毅などの書画・掛け軸を販売および買取（鑑定・査定）しています。詳しくは下記の各バナーをクリックしてください。