浦上玉堂
一行書

Uragami Gyokudo
calligraphy

掛軸 紙本 103,5cm×27,5cm(総丈185cm×30cm) 箱入

作品の状態について

画面、表装の状態は良好です。
状態も大変よく、浦上玉堂の書作品の優品です。

山川五雲為天下雨
(読み)
山川の五雲、天下の雨と為る。

○五雲　(ⅰ)青･白･赤･黒･黄の五色の雲。その変化によって吉凶、降水量の多寡、豊凶作の別を占う。 (ⅱ)五色の瑞雲。

　落款は隷書体で｢玉堂｣と記し、｢白髯琹士｣(白文方印)、関防印には｢琹王｣(朱文長方印)を捺しています。玉堂所用の印章は現在20数種知られるが、本作に捺されたいずれも玉堂愛用の印章で、浦上家に伝来する6顆のうちの2顆です。この組合せは、60歳頃から70歳頃まで(制作年代推定の作を含む)の作品に多く見られます。
　同時代人として玉堂を最もよく理解していた一人の田能村竹田が『竹田荘師友画録』の中で｢玉堂老人の字は古怪絶俗｣と評するように、本作は書の巧拙など考えず、思うままに勢いよく書かれ、隠逸の世界へと足を踏み入れた玉堂の境地が表れている一幅と言えます。(Ｙ)

作家について

浦上玉堂（1745～1820）は、備中鴨方藩の藩士の次男として生まれる。若いころは模範的な藩士だったが、1794年、50歳で脱藩し、全国を遊歴したのち、晩年は京都に定住した。山水図を描き、墨のかすれやにじみを強...

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