副島種臣
四行書
Soejima Taneomi
Calligraphy
掛軸 絹本 164,5cm×71,5cm(総丈227cm×75cm) 箱入
作品の状態について
画面、表装共に良い状態です。
歩出齊城門遥望蕩陰里々中有三墳累々
正相似問是誰家墓田彊古冶氏力能排南
山文能絶地紀一朝被讒言二桃殺三士
誰能爲此謀國相齊晏子
諸葛亮武侯梁父吟
後学副島種臣
〈読み〉
歩して斉の城門を出で、遥かに蕩陰里(とういんり)を望む。
里中に三墳有り、累々として正(まさ)に相似たり。
問ふ 是れ誰が家の墓ぞ、田彊(でんきょう)古冶子(こやし)。
力は能く南山を排し、文は能く地紀を絶つ。
一朝 讒言を被(こうむ)り、二桃 三士を殺す。
誰か能く此の謀(はかりごと)を為す、国相 斉の晏子なり。
〈語句〉
◯斉=国名。周の太公望呂尚の建てた国。現在の山東省一帯がその領土で、古城は臨淄県にあった。
◯蕩陰里=斉城付近の里の名。
◯累々 =物が重なり合っているさま。
◯田彊古冶子=田開彊と古冶子。斉の景公に仕えた勇士。
◯南山=斉城南方の山。
◯地紀=大地の四隅をつなぎ支えているとされる想像上の大綱。
◯三士=田開彊、古冶子と公孫接(こうそんしょう)。
◯晏子=[?-前500]春秋時代の斉の宰相、晏嬰。字は仲、諡は平。霊公、荘公、景公の三君に仕え、節約に努めよく国を治めた。言行録に『晏子春秋』がある。
〈口語訳〉
斉の城門を歩み出て、遥かに蕩陰里を望み見ると、里中には三つの墳墓があり、似たような形で連なっている。誰の墓かと問えば、田開彊、古冶子らのだという。彼らの武力は南山をもおしのけ、その文才は天地をつなぐ大綱をも絶ち切るほどであった。だが、一たび讒言にあい、二つの桃でこの三士は殺されてしまった。いったい誰がこのような計略をめぐらしたのか、ほかでもない斉の宰相晏子であった。
〈解説〉
諸葛孔明が愛誦したという「梁甫吟(梁父吟)」が揮毫されています。梁甫吟は、山東省泰山の麓にある梁甫の丘にまつわる歌で、『晏子春秋』に見える斉の宰相晏子による「二桃三士を殺す」という故事が元になっています。「二桃三士を殺す」とは、中国の春秋時代の斉 の国に公孫接・田開疆 ・古冶子 の三人の勇士があり、横暴で将来国の憂いとなると考えた宰相晏子が計らって三人に2個の桃を与え、互いに争わせて自殺させたという故事。
この詩は、表向きは三人の勇士を悼むものですが、実は晏子の智力を讃える詩です。最後の二句「誰能為此謀、国相斉晏子」にあるように、力ばかり強くて無礼な三人をたった二つの桃で殺した智恵者は誰か、それは斉の宰相晏子だ、というのです。(Y)
作家について
副島種臣(1828~1905)は、佐賀市鬼丸に藩校弘道館教授であった枝吉種彰の二男として生まれ、32歳で副島家の養子となった。幼名は竜種、名は種臣、通称は次郎。蒼海は号で、他に一々学人がある。
父から薫陶を...
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