沢庵宗彭
大燈国師投機之偈
Takuan Soho
Calligraphy
掛軸 紙本 65,5cm×36,8cm(総丈155cm×38,5cm) 箱入
作品の状態について
画面、表装共に良い状態です。
大應國師拈雲門關字示之大燈下語云
幾乎同路仍作二偈呈曰
一回透得雲關了南北東西活路通夕處朝遊沒賓主脚頭脚底
起清風
透過雲關無旧路青天白日是家山機輪通變難人到金色
頭陀拱手還 妙超胸懐如是若不孤負師意伏望賜一言近擬歸
故都莫惜尊意以為大幸耳 大應國師曰你旣明投暗合吾不如
你吾宗到你大立去只是二十年長養可使人知此證明矣
為妙超禅人書巨福山南浦紹明
右此書在於徹翁之塔徳禅之室遠孫澤菴書
〈訓読〉
大応国師は雲門の関字を拈(ねん)じて之(これ)を示す。大燈は下語(あぎょ)して云(いは)く、「幾乎(ほとん)ど同路。」 仍(よ)って二偈を作り呈して曰(いは)く、「一回雲関を透得し了(おは)って、南北東西 活路通ず。夕処朝遊 賓主没(な)し、脚頭脚底 清風を起こす。雲関を透過して旧路無し、青天白日 是れ家山。機輪通変 人の到り難(がた)し、金色の頭陀 手を拱(たんだく)して還(かへ)る。妙超が胸懐 是(か)くの如し、若(も)し師の意に孤負せずんば、伏して望むらくは一言を賜へ、近ごろ故都に帰らんと擬す、尊意を惜しむこと莫(な)くんば以て大幸と為(な)すのみ。」 大応国師曰く、「你(なんじ)既に明投暗合、吾れ你(なんじ)に如(し)かず、吾が宗 你(なんじ)に到(いた)って大いに立し去らん。只だ是(こ)れ二十年長養して、人をして此(こ)の証明を知らしむ矣、妙超禅人の為に書す。巨福山南浦紹明。」
右の此の書、徹翁の塔徳禅の室に在り。遠孫澤庵書す。
◯下語(あぎょ) 公案や古則などの法語に対して与える短評。 ◯機輪 「機」はからくり、「輪」は廻転の義、故に働きをいう。 ◯金色頭陀 摩訶迦葉のこと。 ◯孤負 そむくこと。 ◯明投暗合 明暗双双底の境界に至ることをいう。「明」は悟りの世界、「暗」は迷いの世界にたとえられて、聖なる真実界と俗なる現象界とが優劣なく対等に並び立っていることを示している。
〈解説〉
沢庵宗彭が、大燈国師(宗峰妙超)の有名な投機(=悟りを開くこと)の二偈とその末尾に師の大応国師(南浦紹明)が加えた印可の証となる識語を揮毫しています。
大徳寺開山の大燈国師が26歳の時、師の大応国師から雲門大師の「関」の公案を授かって一朝大悟したことで知られています。大燈国師は鎌倉建長寺で師の大応国師に「雲門の関」で参禅していました。ある日、蔵の鍵を机の上に置こうとした時、ガチャッと音がしました。その瞬間にこの「関」の公案が解けたので、すぐに師のところに走り「幾乎(ほとんど)路を同じゅうす」と言明したのです。大応国師は大変驚いて「実は今朝、雲門大師が自分の部屋に入ってくる夢を見たばかりである。お前はまさに雲門の再来である」と言って、大燈国師の悟りを認めました。翌日、大燈国師はその時の心境を書いて師に示しました。これが投機の二偈です。師の大応国師はこの末尾に印可の証となる識語を加えました。この若い大燈国師の書と最晩年の大応国師の二種が遺された遺墨(京都・大徳寺蔵)は重要文化財に指定されています。(Y)
作家について
沢庵宗彭(1573~1645)は、兵庫県出石に生まれる。江戸前期の臨済宗の僧。一凍紹滴の法を継ぎ、大徳寺の住持となる。紫衣事件で幕府を批判し、出羽上山に流されたが、のちに品川に東海寺を開いた。詩歌・俳諧・...
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