富岡鉄斎
漁家快楽図
Tomioka Tessai
Landscape
掛軸 紙本 129,5cm×32,5cm(総丈200cm×45,5cm) 共箱 二重箱入
作品の状態について
画面、表装共に大変良い状態です。
晩年88歳の時に描かれた作品です。
作品の出来が良く、晩年の優品です。
漁家快楽
古人飲酒擊博爲戲其箭
以牙飾之長五寸箭頭刻鶴形
謂之六鶴齊飛今六骰亦其
遺意唐人詩云城頭稚子※傳
花枝席上摶拳握松子則
今人催花商枚唐已盡有
之矣 右六研齋筆記
大正癸亥二月
八十有八叟鐵齋
※ 宋・孫宗鑑撰『東皐雑録』では「椎鼓」となっています。伝承する過程で異同が生じたものと考えられます。
〈訓読〉
古人は飲酒し撃博するを戯れと為す。其の箭は牙を以って之を飾る。長五寸。箭頭に鶴形を刻む。之を六鶴斉飛と謂う。今の六骰も亦(ま)た其の遺意なり。唐人の詩に云わく、「城頭 鼓を椎(う)って花枝に伝わる、席上 拳を摶(まる)めて松子を握る」と。則(すなわ)ち今人は花を催(うなが)し枚を商す。唐に已(すで)に尽くして之有るなり。
右は六研斎筆記。大正癸亥二月、八十有八叟鉄斎。
〈私訳〉
古人は酒を飲んで博打をすることを遊戯と呼んでいた。それに用いる箭は牙で飾り、長さは五寸。その中の一本の頭には鶴の形を刻む。これを六鶴斉飛と称するのである。今のサイコロも同じくその遺意を継いでいる。唐人の詩に「城壁の上では花の枝に伝わるように太鼓を叩き、座席の上では松の実を手に握る」とあるが、今人は早く咲けと花をせき立て、サイコロの出る目や数などを当てて遊ぶのである。唐代にはすでにこの種の酒席での遊戯があったのだ。
◯撃博(げきはく) 博打をする。 ◯六鶴 牙で飾った6本の箭で、その中の1本の頭に鶴の形を刻んだもの。 ◯斉飛 一斉に飛ぶ。 ◯六骰 サイコロ。 ◯遺意 故人の残した考え・意志。 ◯城頭 城壁の上。 ◯椎鼓(ついこ) 太鼓を叩く。 ◯松子 松の実。 ◯催花 早く咲けと花をせきたてる。 ◯商枚 猜枚のことで、スイカの種やハスの実、碁石などを手中に握って数量や色目等を当て競べする賭戯。なんこ。
〈印章〉
・白文方印「富岡百錬」(趙叔孺刻)
・朱白文方印「報答四恩広行三教」
[訓読]四恩に報答し、広く三教を行う。
[解説]父母・衆生・国王・三宝の四恩に報答し、広く儒・仏・道の三教を行うの意。
・象形方印「漁夫図」
〈解説〉
画題の「漁家快楽」とは「漁師たちが心地よく楽しむこと」の意です。賛は明の李日華の『六研斎筆記』から引用したと記され、内容は古今の酒席での遊戯についてです。鉄斎は自然とともに生きる漁父の生業に、理想的な人間の姿をみていました。本図には何とも楽しげに酒を酌み交わす漁父たちが描かれ、画面右上の月が情趣を添えています。漁父の飄逸でユーモラスな表情が魅力的です。とぼけたような表情にも見え、笑いを誘います。(Y)
作家について
富岡鉄斎(1836〜1924)は、京都に生まれた日本画家。
「万巻の書を読み 万里の道を行く」の座右の銘を実践した鉄斎の作品は、壮大なスケールと存在感を放っている。
画は勿論、国学・儒学を修め、幕末には...
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