細川幽斎
消息
Hosokawa Yusai
letter
掛軸 紙本 30cm×49cm(総丈106cm×51,5cm) 箱入
作品の状態について
画面、表装ともに巻きシワがあります。
先日以来不申承候煩
然之共無之候起もせす
寝もせて業平之二日酔之
為躰候被見候一局時々
及沈吟候取之殊勝之物候
付墨之事惶多候結句所々
加批語候狼藉千萬候殊
更病中之義候間不可有
正儀候旁期面談候 恐々謹言
三月廿七日 玄旨(花押)
(端裏)
「(封)⬜︎雪斎 玄旨
幽斎 」
〈読み〉
先日以来、申し承らず候。煩然之共、之(これ)無く候。起(おき)もせず寝もせで、業平の二日酔の体と為(な)し候。被見候。一局時々沈吟に及び候。之(これ)を取り殊勝の物候。付墨の事、惶多(おそれおお)く候。結句所々批語を加え候。狼藉千万候。殊更病中の義候間、正なること有るべからざる儀候。旁(かたがた)面談を期し候。恐々謹言。
〈要旨〉
先日以来、お話をうかがえておりません。心配しておりましたが、その必要はありませんでした。「起きもせず寝もせで」という歌は在原業平の二日酔いを表現しています。(私は)一つの場面について時々沈吟に達します。(あなたの歌は)この句を取り入れた殊勝のものです。付墨した事は大変申し訳なく存じます。甚だしく無礼ではありますが、結句の所々に批評の言葉を入れて直しました。とりわけ病気中の事なので、正しい議論があるはずがありませんが、いずれもお目にかかりました時に。
◯起もせす寝もせて 『古今和歌集』巻十三・恋歌三 /伊勢物語に収録される在原業平の和歌「起きもせず寝もせで夜を明かしては春のものとてながめ暮らしつ」の句。昨夜は起きて何をするでもなく、寝るでもなく夜を明かし、(昼は昼で)春の風物詩である長雨を、物思いにふけりながら眺めて暮らしているのですよ。 ◯沈吟 深く考え込むこと。うれえなげくこと。 ◯殊勝 非常に優れていること。 ◯付墨(つけずみ) 和歌・連歌・俳諧などの作品の中ですぐれた物に点の印を付けること。批点(詩歌・文章などを批評し、または訂正して加える評点)。 ◯批語 批評のことば。 ◯狼藉千万 はなはだしく無礼なさま。乱暴でこの上ないさま。
〈解説〉
歌人としても知られる幽斎が依頼を受けて連歌を批評した時の書状です。在原業平の「起もせず寝もせで」という句を取り入れた歌を「殊勝之物」と賞賛し、結句の所々には批評の言葉を書き込んだと記されています。また、幽斎は病気中であったことも分かります。(Y)
作家について
細川幽斎(1534-1610)は、京都に生まれた安土桃山から江戸時代初期の武将、歌人。三淵晴員の子であり、細川元常の養子。肥後細川家初代・細川忠興の父。はじめ足利義晴・義輝・義昭に仕える。のちに織田信長・豊...
ご購入について
当ホームページ上で扱っております作品は、店舗でのご購入だけでなく、通信販売にも対応しております。
作品のご購入は、お電話、お問い合わせフォームよりご連絡ください。当店スタッフが心を込めてご案内いたします。
また、ホームページ掲載作品以外にも多数の在庫がございますので、お探しの作家・作品がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
担当者番号:080-9608-7598
(受付時間:10:00~20:00)
※店を不在にしている事がありますので、担当者携帯にご連絡ください。
※スマホでご覧の場合、上記の番号をタップで電話が掛けられます。
ご購入の流れ
お問い合わせ
お電話・お問い合わせフォームよりご連絡ください。
ご注文の確認
送信内容の控えを自動でお送りしております。
もし届かない場合はトラブルにより
届いていない可能性がありますのでご連絡下さい。
ご注文の確定
ご注文内容の確認をさせて頂きます。
お越し頂いてのご確認ももちろん可能です。
代金のお支払い
通販のお支払い方法は、
銀行振込(先払い)のみとなっております。
店頭ではクレジットカードもご利用頂けます。
商品の発送
きっちりと梱包してお届けいたします。