富岡鉄斎
老子出関之図
Tomioka Tessai
Landscape
掛軸 絹本 132cm×42cm(総丈206cm×57,5cm) 箱入 大阪美術倶楽部鑑定委員会鑑定書取得保証致します。
作品の状態について
画面に少し巻きシワがあります。
表装は良い状態です。
持而盈之不如其已揣而鋭之不可長保金玉滿堂
莫之能守富貴而驕自遺其咎功成名遂身退
天之道 老子
明治丁酉十二月 鐵齋外史
〈訓読〉
持して之を盈(み)たすは、其の已(や)むに如(し)かず。揣して之を鋭くするは、長く保つべからず。金玉 堂に満つれば、之を能(よ)く守る莫(な)し。富貴にして驕(おご)れば、自ら其の咎(とが)を遺す。功成り名遂(と)げて身退くは、天の道なり。
老子。明治丁酉十二月。鉄斎外史。
〈大意〉
持っている上に、なお欲しがって盈満を求めるのが人情だが、足るを知って止まるに如くはない。刃物をきたえて鋭くすれば、よく切れはするが、折れやすいから長くは持たぬ。黄金や宝玉などの宝玉を家いっぱいに貯めれば、奢り心を生じて守ことができぬ。富貴になって驕れば、自ら禍を受ける。仕事が成就し名声を挙げて隠退するのが天の道である。
〈印章〉
・白文・朱文方連印「百錬・無倦」 明治時代 小沢荻処刻
・朱文楕円印「貽笑」
[出典]梁の武帝 陶弘景論書書「貽笑於後世」
〈解説〉
老子出関図は、中国・春秋時代の思想家老子が周の国の衰運を予見して隠遁を決意し、西方の函谷関を越えようとしたところ、関守の尹喜(いんき)の請いに応じて『老子道徳経』二巻を著したが、そのあと消息を絶ってしまったという故事を描いたものです。
本図は明治30年(1897)12月、鉄斎62歳の時に描いた作品です。黒牛に悠然と跨った老子と荷物をぶら下げた長い棒を担ぐ従者が、函谷関を越えて坂道を下るところが描かれています。二人は谷川のせせらぎに耳を傾けているように見えます。また、松や霊芝が描かれ、長寿の願いが込められています。松は厳寒でも緑を保つことから、不老長寿の象徴とされ、霊芝もまた不老を意味します。賛は『老子』の第九章で、立派な仕事をやり遂げても、身の引き時が大事だという処世訓を説いています。(Y)
作家について
富岡鉄斎(1836〜1924)は、京都に生まれた日本画家。
「万巻の書を読み 万里の道を行く」の座右の銘を実践した鉄斎の作品は、壮大なスケールと存在感を放っている。
画は勿論、国学・儒学を修め、幕末には...
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