中林梧竹
書幅
Nakabayashi Gochiku
Calligraphy
掛軸 紙本 132cm×53.5cm (総丈 195cm×67cm) 箱入
作品の状態について
画面下に少しオレがあります。
表装は書かれた当時の紙表装です。
惟九月正初吉丁亥茲
太子作孟姫廟鼎子
孫永寳用之 梧竹
(読み)
惟(こ)れ九月、正初吉丁亥。茲太子孟姫廟鼎を作る。子孫永く之を宝用せよ。梧竹。
(印章)
・朱文楕円印「梧竹」 明治16年(1883) 濮韞荘刻
・朱文方印「振衣萬里長城」
・朱文方印「濯足浙江怒潮」
・朱文方印「金石癖」
(解説)
梧竹は60歳代にこのような金文臨書を盛んに書いています。その際、主に使った臨本は、商・周・秦・漢の古器560種の款識を収録した、阮元蔵・朱為弼撰『積古斎鐘鼎彝器款識』です。
本作は、梧竹が『積古斎鐘鼎彝器款識』巻四に収まる「茲太子鼎」銘文を臨書したもので、60歳代後半の作と考えられます。臨書といっても、梧竹の臨書はその概念をはるかに越え、創作の領域に達しています。「茲太子鼎」銘文の臨書作品は、他にも徳島文学書道館や中林梧竹記念館に所蔵されており、梧竹が何度も臨書した金文であることが分かります。(Y)
◯金文 鼎や鐘などの青銅器に鋳込まれた、あるいは刻まれた文字。 ◯『積古斎鐘鼎彝器款識』 商・周・秦・漢にわたって古器560種の款識を収録、考証を施し、内容も多種多彩である。この書は、器形からひとまず離れ、銘文だけを研究する清朝金文学・文字学に大きな影響を与えた。
作家について
中林梧竹(1827~1913)は、中林経緯の長男として佐賀県に生まれる。名は隆経、通称彦四郎、字は子達、号は梧竹、別に個閑、忘言、鳳栖軒、剣書閣主人がある。
弘化2年(1845)藩命によって上京し、山内香雪に入...
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