仙厓
烏鷺争局 (囲碁) 画賛
Sengai
Go Players
掛軸 絹本 44,5cm×55,5cm(総丈137cm×68cm) 箱入 幻住庵韜光箱書 出光美術館旧蔵品
作品の状態について
画面、表装ともに大変良い状態です。
譬如囲碁拙手下子著々皆死
上手取著々々咸活死活在
人而非與碁凡天下之事宜
比考于茲焉
文政戊子冬日扶桑最初禅窟
厓多羅菩薩戯墨□(草冠に廾)
(読み)
譬(たと)へば囲碁のごとし。
拙手は下子し、著々として皆死す。上手は取著し、著々として咸(みな)活(い)く。
死活は人に在(あ)りて碁に与(あずか)るに非ず。
凡(およ)そ天下の事は、宜しく茲(ここ)に比考すべし。
文政戊子冬日、扶桑最初禅窟、厓多羅菩薩戯墨□(草冠に廾)。
(口語訳)
(人生を)なぞらえるならば、囲碁のようである。拙劣な腕前の者が碁を打つと、着々と石が取られ、上手な者が貪著すると、着々と石を生かしていく。「死活」は碁を打つ人にかかっていて、囲碁そのものには関係しない。あらゆる世の中の事は、この点を十分に考慮して程よくとりはからうのがよい。
◯拙手 拙劣な腕前。 ◯下子 碁石を下す。 ◯著々 物事が順序を追って進みはかどるさま。 ◯取著 貪著して、離れないこと。「貪著」は仏語で、足ることを知らず、物に執着することの意。◯死活 囲碁用語。石の生き死に。 ◯比考 比べ合わせて考えること。斟酌。 ◯扶桑最初禅窟 「日本で最初の禅寺」を意味し、仙厓が住持を務めた博多の聖福寺を指す。元久元年(1204)に後鳥羽天皇(のち上皇)より、「扶桑最初禅窟」の勅額を賜った。
「烏鷺争局」とは囲碁の対局のことで、黒と白の碁石を、黒色の鳥である烏(からす)と白色の鳥である鷺(さぎ)にたとえた言葉です。晩年の仙厓の楽しみの一つであった囲碁の手に汗にぎる対局の瞬間が描かれています。款記に「文政戊子冬日」とあることから、文政11年(1828)の冬、すなわち仙厓79歳の作だと分かります。
賛文は、人生や経営などのあり方を囲碁における碁石の置き方に譬え、「物事が良い方向に進むか否かは、判断する人にかかっているから、何事もよく考え、程よく取り計らいなさい」という教えが記されています。
『出光美術館蔵品図録 仙厓』(出光美術館、1988年)に収載される、出光美術館の旧蔵品です。(Y)
◯幻住庵韜光 臨済宗の僧。福岡市博多区にある幻住庵住職で、竹皮と号した。仙厓は晩年、幻住庵内の虚白院に隠居した。
作家について
仙厓義梵(1750~1837)は、美濃に生まれる。博多の聖福寺の住職を長年つとめ、軽妙洒脱な禅画を描いた。あまりにも人気で揮毫の依頼が殺到するのに困り、「断筆宣言」をしたこともあったほどだった。「うらめし...
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