富岡鉄斎
猫図
Tomioka Tessai
Cat
掛軸 紙本 16,5cm×53cm(総丈138cm×61cm) 箱入 富岡鉄斎鑑定委員会鑑定書附
作品の状態について
画面、表装共に良い状態です。
畫貓辟鼠
清錢籜石集
蘇東坡墨貓歌
細注曰畫元豊四年
六月九日自題曰
相傳危危日畫貓
可以辟鼠茲葢危
危日畫也讀之可以見
畫貓辟鼠之説也
余按
載魏叔子文集中
此説全與東坡其
説相同説長不贅
此
大正四年二月
八十翁 鐵齋外寫并書
(読み)
猫を画いて鼠を辟(しりぞ)く。
清の銭籜石集の蘇東坡墨猫歌の細注に曰く「元豊四年六月九日に画く。自題に曰ふ、相伝ふ危危日に猫を画けば以て鼠を辟(さ)くべしと。茲(こ)れ葢(けだ)し危危日の画なり。」と。之を読めば以て猫を画いて鼠を辟くるの説を見(あらは)すべきなり。
余 魏叔子文集中に此の説を載すかを按ず。全く東坡の其の説と相同じ。説長く此に贅せず。
大正四年二月。 八十翁 鉄斎外写し幷せて書す。
(大意)
猫を描いて鼠を追い払う。
清の詩人銭載の『蘀石斎詩集』巻二十五に「蘇東坡墨猫歌」という詩が載っているが、その細注に次のように書いてある。「元豊四年六月九日に描くとあり、東坡の自題に『危々日に猫を描くと鼠を追い払うことができる、と伝えている。この絵は危々日に描いたのだ。』と記してある」。これを読むと危々日に猫を描くと鼠を追い払うことができるという説の出処を明らかにするべきだと考え、私は清の魏禧の魏叔子全集にこの説が載っているかをこと細かに見た。すると、ことごとく東坡のいう説と同じくする説が載っていた。その説は長いから、ここには余計なことを書き記さないでおく。
(印章)
・「百錬・無倦」白文・朱文方連印 明治時代 小沢荻処刻
蘇東坡を主題とした、鉄斎80歳の作品です。鉄斎は蘇東坡と同じ12月19日生まれであることもあって、彼を敬愛していました。それは、呉昌碩と奥村竹亭に「東坡同日生」印を刻してもらい、愛用するほどでした。
本図は、中央にまん丸と肥えた個性的な猫を描き、その左右に賛を記しています。賛の後半からは、「万巻の書を読む」の座右の銘を日頃から実践する鉄斎の姿が窺えます。「危々日に猫を描くと鼠を追い払うことができる」という中国の習俗に拠って、鉄斎は本図のような「墨猫図」を幾度か描き、所蔵していた万巻の書物を守ったといいます。(Y)
作家について
富岡鉄斎(1836〜1924)は、京都に生まれた日本画家。
「万巻の書を読み 万里の道を行く」の座右の銘を実践した鉄斎の作品は、壮大なスケールと存在感を放っている。
画は勿論、国学・儒学を修め、幕末には...
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