富岡鉄斎
墨梅図

Tomioka Tessai
Plum tree

掛軸 紙本 14,5cm×44,5cm(総丈113cm×58,5) 箱入

作品の状態について

画面、表装共に良い状態です。

宛有楊公操凜然正氣䰟獨佇風雪苦薫徹大乾坤　銕齋
(読み)
宛(あたか)も楊公の操有り、凜然 正気の魂。
独り佇む 風雪の苦、薫じ徹す大乾坤。　鉄斎。

○楊公　人物と考えられるが、未詳。

(大意)
まるで楊公の品性があるようで、それは凜々しく天地の間にみちる至大至剛の魂である。風雪の厳しさの中、ただひとりその場で立ち、耐え抜いた後は梅のよい香が大宇宙に行きわたる。
(印章)
2顆とも印文不詳。

　梅は菊・蘭・竹とともに四君子と称され、その一つとして文人が好んで描いた画題です。冬の厳しい寒さに負けず、風雪の中でも凛々しく開花する、この梅の特性が君子の高潔さを象徴するとされています。描かれた梅も賛も、正にこのことを表し、今にも清々しく上品な梅の香りが漂ってきそうです。(Ｙ)

作家について

富岡鉄斎（1836〜1924）は、京都に生まれた日本画家。

「万巻の書を読み 万里の道を行く」の座右の銘を実践した鉄斎の作品は、壮大なスケールと存在感を放っている。

画は勿論、国学・儒学を修め、幕末には...

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