白隠慧鶴
福禄寿画中画図

Hakuin Ekaku
Figure(HUKUROKUJYU) design

掛軸 紙本 80,5cm×24,6cm(総丈161cm×36cm) 箱入

作品の状態について

画面、表装共に良い状態です。
表装締め直しをしています。
本作品は画面の中の福禄寿が掛軸を見ている画中画と呼ばれる作品です。

(読み)
夕顔の うしろすがたや 福禄壽
(印章)
・｢顧鑑咦｣白文印
・｢慧鶴｣白文印
・｢白隠｣朱文印

　福禄寿は、幸福と俸禄と長寿の三徳を備えるという中国の長寿神です。背が低く長頭で長いひげをはやし、杖に経巻を結び、鶴を伴った姿で描かれます。宋の嘉祐年間に現れた道士･天南星の化身や南極星の化身(南極老人)とされます。寿老人は同体異名の神です。日本で七福神に加えられたのは室町時代以後のことです。
　本作は、福禄寿の後ろ姿を細長く育つ夕顔のように描き、そのことを画中の掛軸に書いた面白い一幅です。まるで福禄寿が掛軸の中から飛び出してきて、掛軸を鑑賞している、もしくは捲いているかのように見えます。本作と似た構図の作品が『白隠禅画墨蹟』禅画篇に収められています。また、関防印として捺された｢顧鑑咦｣(こかんい)は、雲門が学人を試みた言葉に基づきます。雲門が常に修行者を顧みて｢鑑咦｣と言ったことから、｢顧鑑咦｣という語ができました。(Ｙ)

作家について

白隠慧鶴（1685～1768）は、日本臨済禅中興の祖と称される重要な禅僧。
駿河に生まれた。15歳で出家、臨済宗の禅僧となる。各地を巡歴して修行を積み、33歳で郷里の松陰寺に帰り、住職なる。本格的に書画を手が...

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