山口素絢
八重桜花図

Yamaguchi Soken
Cherry Blossoms

掛軸 加藤千蔭賛 絹本 106cm×33,2cm(総丈195cm×48,5cm) 西山完瑛箱書

作品の状態について

画面、表装共に大変良い状態です。
画面上部を描かないことによって霞がかかった雰囲気を表しています。
大変洒落た作品です。

(読み)
花におくつゆだにちらぬ春風に
こゝろとかをる山桜哉　千蔭
(歌意)
花に降りた露さえも散り落ちない静かな春風に、花が自分の心から芳香をただよわせる山桜だなあ。

　加藤千蔭(1735－1808)が寄せた和歌は、家集『うけらが花』巻一 春歌に｢風静花芳｣と題して収められています。古今･新古今調の温雅な歌風で、同門の村田春海とともに江戸派と称されました。
　書は、松花堂昭乗の書を学ぶと同時に、平安古筆にも範を求め、独自の書風いわゆる｢千蔭流｣を形成しました。千蔭流は、妙法院宮真仁法親王や富小路貞直などの堂上方をはじめ、役者･遊女などの幅広い層に支持を得ました。さらに明治時代の樋口一葉も千蔭流を学んでおり、それは近代に至るまで強い影響力を持ち続け、人気が高かったことが分かります。(Ｙ)

作家について

山口素絢（1759～1818）は、京の呉服商の子として生まれた。絵は円山応挙に学び人物花鳥に優れ、特に、柔らかい筆致で優美な当世美人の姿を描いて人気を得た。寛政11年の「素絢画譜」、文化3年「素絢画譜草花之部...

販売と買取（鑑定・査定）について

当店では山口素絢などの書画・掛け軸を販売および買取（鑑定・査定）しています。詳しくは下記の各バナーをクリックしてください。