貫名海屋
浅峰山水図
Nukina Kaioku
landscape
掛軸 絹本 167cm×50cm(総丈210cm×65,5cm)村田香谷、山中信天翁、小林卓斉箱書
作品の状態について
画面、表装ともに良い状態です。
作品の出来は大変よく、貫名海屋の優品です。
村田香谷も箱書に絶作と褒め称えています。
嘎々禽聲聴不喧梅花引我過泉源陽春白雪藤蘿逕暮色青山
茅屋邨廋影互溪憐水淺清香満袂怯風翻欲憑幽鄥懸明
月冷豔凄然恐斷魂
壬辰之春二月冩并題探楳舊作於百載亭南軒
海屋生
(読み)
嘎々たる禽の声聴くも喧(やかま)しからず、梅花我を引きて泉源を過ぐ。
陽春の白雪藤蘿の径、暮色の青山茅屋の村。
痩なる影と互渓は水浅きを憐れみて、清香は袂(たもと)を満たし風翻を怯れる。
幽鄥に憑(よ)らんと欲するも明月を懸けて、冷艶凄然たりて断魂を恐れる。
壬辰の春二月に写し、幷びに探梅旧作を百載亭南軒に題す。海屋生。
天保3年(1832)2月、海屋55歳の時に揮毫したものです。落款にある「百載亭」は、おそらくどこかに逗留した際に立ち寄った誰かの書斎と考えられます。
この一幅が揮毫される前年の天保2年(1831)に白井華陽が著した『画乗要略』巻三に海屋は収められ、「以儒為業、工詩善書又作山水冷澹幽雋」(儒を以て業となし、詩を工にし、書を善くす、又た山水を作る。冷澹幽雋なり。)と記されています。この頃の海屋は詩書画いずれにも名があったことが分かります。この一幅は当時の海屋の詩書画すべての作風を知ることができる貴重な資料と言えます。
ここで識語を記した4人を簡単に紹介します。
①山中信天翁(1822~1885)は、煎茶道具や書画の鑑識に優れ、鑑定や箱書きを求める者がひっきりなしに訪れたと言います。
②村田香谷(1831~1912)は、文人画家村田東圃の子。画を貫名海屋に、詩を梁川星巌に学び、のちに長崎に遊学、日高鉄翁に入門するほか、木下逸雲、徐雨亭らにも教えを受けました。
③小林卓斎(1831~1916)は、書法を貫名海屋に学び、漢詩や篆刻も能くし、書画の鑑定にも精通していました。
④畑成文については、詳細が分からず、調べております。
信天翁が辛巳(1881)3月に、卓斎が翌年の壬午(1882)冬に、畑成文は76歳の時にこの山水図を観たと箱書があります。さらには、軸の上部にも香谷と卓斎が識語を記しています。このように、書画の鑑識に精通していたり、海屋に書画を学んだ縁があったりする者たちが識語を記していることは、この一幅の価値をより一層高めています。(Y)
作家について
貫名海屋(1778~1863)は、徳島県蜂須賀藩士の子で京都に住み儒学を教える一方、書画もよくし、長崎の鉄翁や、董其昌など明清の画家に傾倒した。儒者としても頼山陽等とは対照的な京都流の保守的な世界に身を置...
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