貫名海屋
竹渓書屋之図
Nukina Kaioku
landscape
掛軸 紙本 106cm×31cm(総丈163cm×33,5cm)二重箱入
作品の状態について
画面に少しシミが出ていますが、鑑賞に影響するシミではないと考えております。
表装は良い状態です。
作品の出来は大変よく、それほど大きくない画面ですが貫名海屋の山水画の優品です。
箱を包むタトーも良い裂で作られており、お道具としても品の良い一幅です。
海屋は1778年(戉戍)の生まれで、款記に「歳戉戍之秋杪」とあり、ちょうど還暦にあたる大変めでたい時に揮毫された作品です。この1838年(天保9年)版の『平安人物志』儒家の部に「貫名苞、字君茂、号海屋、木屋町二条南、貫名泰次郎」とあり、詩の部にも再出していることから、この頃も儒家、詩人として認めらていたことが分かります。また、1836年12月すでに旅から帰京して住んでいたのは、木屋町二条南の「鴨厓水閘之寓居」であったことを知る一資料でもあります。
自賛の書きぶりは気韻が高く、空海の書や晋唐の諸法帖を学習した形跡がはっきりと見えます。その上、彼の温雅な性格が書にそのままあらわれ、海屋の目指した書への徹底した姿勢が窺えます。書と画ともに楽しんでいただきたく思います。(Y)
賛の釈文と読みは、以下の通りです。
吾有水竹居住在大磎裏時當誦讀
餘琅然吟相倚離之三十秋夣游一至
止乃覺穿石苔森々添孫子今猶相
和不吟聲吾老矣
歳戉戍之秋杪偶晦日寫於鴨厓水閘之
寓居系以舊作所謂大磎即我郷地名
実終身不能忘之處也故時寫自看
海屋生
(読み)
吾に水竹居有り。住んで大谿の裏に在りし時、誦読に当たり余琅然として吟ず。相ひ倚りて之を離るること三十の秋。夢に游(あそ)び一たび止むに至る。覚むれば乃ち石を穿(うが)ち苔森々なり。孫子に添へ今猶ほ相ひ和するも声を吟せず。吾老ひんかな。
歳は戉戍の秋杪の偶(たまたま)晦日、鴨厓水閘の寓居に写し、旧作を以て系(か)く。所謂大谿とは即ち我が郷の地名なり。実(まこと)に終身之れ忘るる能はざる処なり。故(ゆえ)に時に写し自看す。 海屋生
作家について
貫名海屋(1778~1863)は、徳島県蜂須賀藩士の子で京都に住み儒学を教える一方、書画もよくし、長崎の鉄翁や、董其昌など明清の画家に傾倒した。儒者としても頼山陽等とは対照的な京都流の保守的な世界に身を置...
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