高泉性潡
一行書

Kosen Shoton
Calligraphy

掛け軸　紙本　127cm×27,5cm（総丈203cm×30,5cm）福山暁庵箱書

作品の状態について

画面に少し折れがありますが、鑑賞に影響する折れではないと考えております。
表装は良い状態です。
大変本紙活きも良く、画面と表装ともしっかりと合った良い掛け軸です。

春至鳥能言
　佛國高泉書

〈訓読〉
春至りて鳥能(よ)く言(い／ものい)う。仏国高泉書す。

〈私訳〉
毎年春になると、鳥たちが囀(さえず)る。

〈解説〉
　中国・初唐の詩人宋之問の｢春日芙蓉園にて宴に侍す 応制｣の ｢風来りて花自ずから舞い、春入りて鳥能く言う｣に基づいた句と考えられます。鳥が囀る長閑な早春の風情を表しています。
　肉太で重厚な筆致は黄檗流書法の典型を示しています。落款印に｢性潡之印｣と｢一字高泉｣、関防印に｢臨済正宗｣を押しています。落款に｢佛國高泉書｣と記されていることから、仏国寺在住時の揮毫だと分かります。高泉和尚は延宝6年（1678）に伏見に仏国寺を開山し、元禄5年（1692）に宇治の黄檗山万福寺第五世住持となったので、46歳から60歳までの間に揮毫された書です。(Ｙ)

作家について

高泉性潡（1633〜1695）は、中国福建省に生まれた禅僧。黄檗隠元に招かれ日本に渡来した。宇治の黄檗宗万福寺に入り、独湛性瑩を継いで万福寺第5世住持となった。宮廷や将軍、諸大名などと積極的に交流し、黄檗宗...

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