浦上春琴
紅蓮翡翠

Uragami Syunkin
Lotus flowers and birds

掛軸　紙本　128,3cm×45,4cm(総丈206cm×45,4cm) 西村南岳箱書　二重箱入

作品の状態について

画面に少しシミが出ています。
表装は良い状態です。
紙に簡単に描かれた作品ですが、品があり優れた画技を楽しむ事ができる作品です。

(読み)
浦上春琴「紅蓮翡翠」

〈本文〉
池荷香動入窓流一枕清涼
口欲晡醒来不後過転雨葉葉
傾風砕露珠　春琴

〈読み〉
池の荷香窓より流れ入り，一枕清涼して口晡を欲す。
醒来の後雨に過転し，葉葉風に傾き露珠を砕く。

〈語注〉
池荷→蓮
一枕→ひと眠り
晡→夕食。
露珠→水滴。

〈大意〉
蓮の香りが窓から流れ込んできた、ひと眠りしたので小腹が空いた。
目覚めてからは雨がやみ、葉は風に揺られ雨露は砕かれていく。

〈解説〉
蓮の花は右側に寄せて描かれていますが、左下の水面に鋭い視線を向ける小鳥によって、見る者の想像力を掻き立て、さわやかな水辺の風景が想起されます。
自作のものと思われる詩は実にのんきで、画も温もりのある筆致と優しい色使いが心地よい作です。（G）

作家について

浦上春琴（1779～1846）は、浦上玉堂の息子として生まれる。父の脱藩にともない諸国を遍歴したのち、京都に定住した。頼山陽や田能村竹田らとの親密な交流が知られ、京都の文化グループの第二世代に属する。玉堂...

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