中林梧竹
一行書

Nakabayashi Gochiku
Calligraphy

掛軸　絖本　129,7cm×40,4cm(総丈223cm×53,7cm) 箱入

作品の状態について

画面、表装共に良い状態です。

松暗水涓々
　八十二叟梧竹

〈読み〉
松暗くして水涓々（けんけん）たり。
　八十二叟梧竹。

〈語句〉
◯涓々＝水がちょろちょろ流れるさま。

〈大意〉
暗い松の下に水が滴る。

〈解説〉
唐代中期の詩人・張籍の「寄西峰僧」松暗水涓涓，夜凉人未眠。西峰月犹在，遥忆草堂前。という絶句の一句目を書いたものです。
松の根元に緩やかに水が流れ、月がまだ空に輝く涼しい夜に、昔のことに思いを馳せる。という夜の静かな情景が思い浮かぶ句です。
明治41年梧竹82歳の最晩年の書であり、縦横無尽な独自の書法は見る者を圧倒します。
明治時代を代表する書家としての真面目を見る事ができる作品です。

作家について

中林梧竹（1827～1913）は、中林経緯の長男として佐賀県に生まれる。名は隆経、通称彦四郎、字は子達、号は梧竹、別に個閑、忘言、鳳栖軒、剣書閣主人がある。
弘化２年(1845)藩命によって上京し、山内香雪に入...

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