富岡鉄斎
警諭書
Tomioka Tessai
Calligraphy
掛軸 絹本 143,5cm×43,5cm(総丈209cm×58,5cm) 共箱 二重箱入 富岡鉄斎鑑定委員会鑑定書附
作品の状態について
画面に少しオレがありますが、鑑賞に影響するオレではないと考えています。
表装は良い状態です。
晩年86歳の時に書かれた鉄斎の書を存分に楽しむ事ができる作品です。
〈本文〉
世界如碁局人才如黒白子勝負不
常在吾輩則次不常者為常
故勝不為喜負不為戚客散
碁収勝負安在哉常者在此不在彼與其得
罪於千古無𡩋取譏於一明困窮之中洗心滌慮所為
大帰之計耳
大正十年二月一日八十有六齢鉄斎外史書
〈読み〉
世界は碁局の如く、人才は黒白の如し。
子の勝負は不常、吾輩に在りて則ち次ぐ不常の者は常と為す。
故に勝利は喜ぶ為でなく、負けは悲しむ為ではない。
客散り碁収めれば勝負は安在る哉。
常者は此に在り彼に在らず、その罪を得て千古に於いて𡩋無し。
一明に於いて譏を取り、困窮の中洗心滌慮する、それはつまり大帰之計のみ。
〈語注〉
黒白→碁石、善悪。
譏→風刺、非難。
一明→よいとき。
洗心滌慮→徹底的に悔い改めること。雑念を取り払うこと。
大帰→死。
〈大意〉
世界は碁の局面のようであり、人才は碁石のようだ。
人々の勝負は勝敗が読めず、私たちにとっては異常な者も当たり前となる。
よって勝つのは喜ぶ為ではなく、負けるのは悲しむ為ではない。
客が散り散りとなり碁の勝負を止めることで安寧があるのだ。
普通の人はこれを理解し、むしろその罪を永久にしない。
調子のよいときに人を非難し、困窮した時に悔い改めるのは、死ぬための策略でしかない。
〈解説〉
1921年、数えで86歳の作です。
鉄斎は1924年に没しているので最晩年の書と言えます。
「勝不為喜、負不為戚」の語は、三国演義「勿以勝為喜、勿以敗為憂」を踏まえたものと思われます。
勝負事とは勝利を得ても有頂天にならず、敗北しても落ち込まないという中国の古典小説になぞらえ、行書草書篆書を駆使した鉄斎独自の境地を遺憾なく発揮しています。(G)
作家について
富岡鉄斎(1836〜1924)は、京都に生まれた日本画家。
「万巻の書を読み 万里の道を行く」の座右の銘を実践した鉄斎の作品は、壮大なスケールと存在感を放っている。
画は勿論、国学・儒学を修め、幕末には...
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