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東皐心越
達磨図
Toko Shinetsu
Daruma
掛軸 紙本 120,5cm×51,5cm(総丈209cm×64,5cm) 箱入
作品の状態について
画面、表装ともに大変良い状態です。
表装締め直しを致しました。
大きな画面に見応えのある画が描かれ、賛文もたっぷりあります。
印章も4つ押され、詩・書画・篆刻を楽しむ事ができる作品です。
三週寒暑透重
關對朕支吾去
不還一葦渡江
何太速長流千
載自潺湲
東皐心越和南寫贊
〈読み〉
三週の寒暑 重関を透り、朕に対して支吾し、去りて還らず。
一葦もて江を渡ること何ぞ太(はなは)だ速き、長流千載 自づから潺湲。
東皐心越、和南して賛を写す。
〈大意〉
達磨は三年間の暑さ寒さを経て、いくつもの難関を越えて中国へ。梁の武帝と対座して丁々発止、北魏へと去ってしまってもう二度と戻らなかった。一本の葦に乗って長江を渡る、その速さの何と速いことよ。どこまでも延々と続く長江の流れは、千年変わらずサラサラと流れている。
〈語釈〉
◯三週寒暑=『景徳伝灯録』巻三・第二十八祖菩提達磨に「師汎重溟、凡三周寒暑、達于南海。實梁普通八年丁未歳九月二十一日也。廣州刺史蕭昂具主禮迎接、表聞武帝。帝覽奏、遣使齎詔迎請。十月一日至金陵。」とある。達磨がインドから中国(梁朝)に向かう時、航海のうちに三年ほどの月日を過ごしたこと。
◯對朕=『碧巌録』巻一に「舉。梁武帝問達摩大師、「如何是聖諦第一義。」摩云、「廓然無聖。」帝曰、「對朕者誰。」摩云、「不識。」」とある。禅の初祖、達磨が梁の武帝と会見した時の問答で、武帝の問いかけた言葉で、「私の前に居るのは誰か」の意。なお、このやりとりはほぼ同文が『景徳伝灯録』等にも見える。
◯支吾=口答えをして逆らうこと。あれこれと言葉を尽くして言いくるめること。ここは、『碧巌録』に描かれる武帝と達磨の問答を指して言う。
◯去不還=北魏に行った後、梁には戻らなかった。武帝との問答が不発に終わったから、というのも理由の一であろう(『碧巌録』ではその様子がテーマとなる)が、『伝灯録』などの記述によると、達磨は先に師匠の般若多羅から、やがて中国に行くこと、しかし南方に留まってはならないことを予言されている。
◯一葦渡江=達磨が武帝との会見の後、「一葦」に乗じて長江を渡って去った、という故事。「一葦」には一艘の小舟の意味もあるが、しばしば文字通り一束の葦として理解される。その後、達磨は北魏に入り、少林寺で面壁九年、その間に慧可と出会う。 明確な出典は挙げにくいが、例えば『続伝灯録』に「汀州開元宗祐禪師。僧問、「如何是祖師西來意。」師曰、「扁舟衝雲浪。」云、「未審意旨如何。」師曰、「一葦渡金陵。」」とある。但し、これは長江を渉る時ではなく、南海を越えて梁に来た時を指して言うのかも知れない。その他、南宋・范成大『呉船録』巻下に「丁巳。泊長蘆。襆被宿寺中。此為菩提達磨一葦浮渡處。寺在沙洲之上、甚雄傑。……寺有一葦堂以祠達磨。」とある。
◯長流千載の句=「長流」は遠くまで続く長い川。ここでは達磨が渡った長江。長江の長さを言う以上に、達磨と、心越を含めた我々との間に流れる千年の時間の長さを示唆するイメージであろう。「自」はおのずから、ひとりでに。千年が経っても古今変わらず、長江は潺湲(センカン)と流れ続けているということ。
〈解説〉
達磨が梁の武帝との問答の後、一本の葦に身を託して揚子江を渡って魏の国に入ったという説話に基づく図像。顔の細部は繊細に描かれています。眉をひそめ、固く口を閉じて遠くを見つめる達磨の表情からは強い意志を感じ取ることができます。(Y)
作家について
東皐心越(1639年〜1696年)は、江戸時代初期に中国から日本へ渡ってきた渡来僧。
心越は字、号は東皐。別号に樵雲・越道人がある。
詩・書画・篆刻などの中国の文人文化を日本に伝え、また日本における琴楽の中...
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