勝海舟
二行書

Katsu Kaishu
Calligraphy

掛軸　絖本　128cm×52,3cm(総丈201cm×66,3cm) 箱入

作品の状態について

画面に少しオレがありますが、鑑賞に影響するオレではないと考えています。
表装は、書かれた当時と同じ時代に仕立てられたと考えています。

〈本文〉
静観物我徒労春尽
似環遊盆沾魚
海舟

〈読み〉
物我を静観し、春を徒労す。
盆の沾魚(せんぎょ)を環遊するが似く尽くす。

〈語注〉
盆魚→中国では鉢の中の金魚を表す

〈大意〉
自身と外界とを心落ち着かせ考え、春を過ごしてしまった。
それは鉢の中の元気な金魚がぐるぐると周回して過ごすようだ。

〈解説〉
答えの出ない悩みに対して、一人狭い心で悩む自身の姿を鉢の中の金魚に例えた作です。
また鉢の中という言葉から、自身ではどうしようもない状況を指していると考えられます。（G）

作家について

勝海舟（1823～1899）は、江戸本所亀沢町で生まれる。幼少時、11代将軍徳川家斉の孫・一橋慶昌の遊び相手として江戸城へ召されている。一橋家の家臣として出世する可能性があったが、慶昌が早世したためその望み...

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