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勝海舟
四行書
Katsu Kaishu
Calligraphy
掛軸 絖本 134cm×34,5cm(総丈204cm×48,5cm) 箱入
作品の状態について
画面、表装共に良い状態です。
金龍山頭横晩烟木母寺畔休耕田貪餌癡禽迷淤
泥避鈎巨魚濳深淵長江雨後流勢急孤舟可泊蒹
葭前釣翁胸裏無人識叩枻微吟秋水篇眼中萬
象皆空化看破塵世十五年 辛巳晩秋泛船墨江
述所懐 海舟
〈読み〉
金竜山頭 晩烟横たはり、木母寺畔 休耕の田。
餌を貪る癡禽 淤泥に迷ひ、鈎(はり)を避くる巨魚 深淵に潜る。
長江の雨後 流勢急に、孤舟 泊すべし蒹葭の前。
釣翁の胸裏 人識(し)る無く、枻(えい)を叩いて微吟する 秋水篇。
眼中の万象 皆空しく化し、塵世を看破す 十五年。
辛巳晩秋、船を墨江に泛かべ懐ふ所を述ぶ。海舟。
〈語注〉
◯晩烟=夕餉のけむり。
◯木母寺=墨田区にある天台宗の寺。古くは、梅若寺・隅田院と称したが、江戸初期に現名に改称。
◯淤泥(おでい)=ぬかるんだ水たまり。
◯秋水篇=『荘子』外篇 第十七。
◯万象=自然界の一切の事柄。
◯看破=見抜く。見破る。
〈大意〉
金竜山の頂上には夕餉の煙がたなびき、木母寺の畔には耕作を一時やめている田畑がある。
おろかな鳥は淤泥で餌を貪ることに夢中になり、大魚は釣針から遠ざかって深淵に姿を潜める。
雨が降った長江は流れが急であるから、孤舟は水辺に生える蒹葭の前でとどまるべきであろう。
魚を釣る老人の胸の内が分かる人はおらず、船べりを叩いて荘子の秋水篇を口ずさんでいる。
目に見える万象はみな空しく変わり行き、私がこのけがれた世を見抜いて15年が経った。
〈解説〉
「辛巳晩秋泛船墨江述所懐 海舟」の款記から、明治14年(1881年)海舟59歳の作と分かります。その内容は、『海舟全集』14巻の「海舟漢詩集」に収録される詩を揮毫しています。海舟らしい洒脱な草書が魅力の作品です。(Y)
作家について
勝海舟(1823~1899)は、江戸本所亀沢町で生まれる。幼少時、11代将軍徳川家斉の孫・一橋慶昌の遊び相手として江戸城へ召されている。一橋家の家臣として出世する可能性があったが、慶昌が早世したためその望み...
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