渋沢栄一
三行書
Shibusawa Eichi
Calligraphy
掛軸 紙本 120,5cm×53,5cm(総丈197cm×69cm) 共箱
作品の状態について
画面右上に修復跡があります。
表装は良い状態です。
書体から若い時代に書かれた書だと考えられます。
晩年の書は多く出回りますが、若い時代の力がみなぎった作品は少ないです。
箱書は晩年92歳に書かれており、若い時代と晩年と書体の違いを見る事ができます。
〈本文〉
不謂遠成久隔年多情元
自在相憐香閨有待衾如水
懶向紅雲暖處眠
青淵小史
〈読み〉
遠くとは謂わずとも年隔てるは久しく成す,多情元より相憐在り。
香閨待く衾有るは水の如し,懶すれば紅雲暖處に向かい眠る。
〈語注〉
香閨→青年や少女の住む部屋。ここでは渋沢自身が過ごした部屋を指しているか。
衾→布団。
紅雲→仙人が住むところ。またはライチの別名。
〈大意〉
遠いわけではないがずいぶんと長い時間離れてしまったものだ。
故郷をこれほど想うのはもとより憐れんでいるからなのだ。
幼少期を過ごした故郷の部屋に置きっぱなしの布団は清らかなまま。
疲れた時には仙人の住む暖かな故郷の方に向かって眠るとしよう。
〈解説〉
渋沢栄一は現在の埼玉県深谷市出身で故郷への思いは人一倍強かったと言います。
この詩は「懐郷」ですからその故郷を懐かしむ気持ちを詠んだものでしょう。
箱書きには表に「渋沢青淵懐郷七絶一幅」裏には「昭和辛未二月一〇不能無懐旧之感也 九十二翁青淵」とあり「懐かしまずにはいられない」と書かれています。
自身の若書きと詩に込められた郷里への思いに初心を思い出したのではないでしょうか。
辛未は1931年、渋沢はこの年の11月に亡くなっているため箱書きは最晩年に書かれています。(G)
作家について
渋沢栄一(1840年-1931年)は埼玉県に生まれた実業家。
徳川慶喜の将軍就任にともない幕臣となって明治政府では官僚も務めた。
「日本資本主義の父」と称され、多種多様な会社や経済団体の設立・経営に携わった。
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