山岡鉄舟
骸骨

Yamaoka Tesshu
skull

掛軸　紙本　142cm×44,5cm(総丈217cm×58,5cm) 箱入

作品の状態について

画面、表装共に大変良い状態です。
表装締め直しを致しました。

可憐無定河邊骨
猶是春閨夢裡人
　　　鐵舟居士

〈読み〉
憐むべし 無定河辺の骨、猶お是れ 春閨夢裏の人。

〈大意〉
かわいそうに、無定河のほとりに散らばる無名の白骨よ。君たちこそは、故郷で帰りを待ちわびる若妻たちがその寝室で今もなお夢に見る人々なのだ。

〈解説〉
　右を向く髑髏（どくろ）を描き、その上に賛を加えています。禅の世界では、髑髏は一切の情識をぎりぎりまで枯らし尽くし、断滅し切った境地に喩えられます。画賛は、中国・唐代の詩人陳陶が詠んだ西域遠征の詩「隴西行四首」のうちの其二の第3・4句が揮毫されています。この句では、戦死した兵は若妻が昼も夜も再会を待ちわびる人たちであったことを描写してしています。(Ｙ)

作家について

山岡鉄舟（1836～1888）は、小野家の五男として江戸に生まれ、槍術の師、山岡家の養子となった。名は高歩、字は猛虎、通称鉄太郎。9歳の時、飛騨郡代に任じられた父に従い高山に移住、10歳から北辰一刀流の井上清...

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