仙厓
菊画賛

Sengai
chrysanthemum

掛軸　紙本　121cm×30,4cm(総丈208cm×43,5cm) 二重箱入　出光美術館旧蔵品

作品の状態について

画面、表装共に良い状態です。

此花ハきくとハ
　　　云へと耳もなし
　　　　　葉ハありとても
　　　　　　　　　　食ひ呑もせす

〈読み〉
此(この)花は きくとは云へど 耳もなし 葉はありとても 食ひ呑もせず

〈解説〉
『出光美術館蔵品図録 仙厓』収載作品。

　2本の菊花が凛とした清々しい姿で描かれています。菊は四君子の一つで、晩秋の寒さの中で色鮮やかに咲きます。
　画賛には掛詞を用いており、洒落が効いています。菊という花は、「菊＝きく＝聞く」とはいうが聞くための「耳」を持たず、「葉＝は＝歯」はありながらも、歯を使って「飲み食い」することもない。駄洒落のようですが、ふざけた印象を感じさせない不思議な魅力を持った、仙厓らしいユーモアがあふれた作品です。(Ｙ)

作家について

仙厓義梵（1750～1837）は、美濃に生まれる。博多の聖福寺の住職を長年つとめ、軽妙洒脱な禅画を描いた。あまりにも人気で揮毫の依頼が殺到するのに困り、「断筆宣言」をしたこともあったほどだった。「うらめし...

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