伊藤若冲 (いとうじゃくちゅう)
伊藤若冲(1716~1800)は、京都錦小路の青果問屋に生まれる。23歳で家業を継いだが、40歳の時に家業を弟に譲り、絵画制作を主とする暮らしへと転じた。作品は、独特の構図と形態描写がいかんなく発揮された色鮮やかな着色画と大胆な構図の水墨画が主である。若冲には、市中で煎茶を売った黄檗僧として知られる売茶翁や、相国寺の禅僧、大典顕常との交友があった。畢生の大作といえる作品が、「動植綵絵」である。1757年から1766年頃までの約10年をかけて描かれた、30幅からなる着色画である。
植物や鳥獣、昆虫、魚介など多用の生き物が表されたこの作品は、仏の空間を表現したものであり、あらゆる生き物を尊ぶ仏教の生命観に根ざしていると言える。
伊藤若冲の基準作品について
基準作品とは、注文主が分かり、描かれた年月が分かり、真筆であるという事に揺るぎのない作品などをさします。
伊藤若冲の作品の評価や価格は、基準作品と描き込みの差を比較することで決まります。なお、作品を比較する場合は、同じ年代に描かれた基準作品と比べること等が重要です。
【伊藤若冲の基準作品一覧】
雪中雄鶏図 細見美術館
隠元豆・玉蜀黍図 双幅 和歌山・草堂寺
糸瓜群虫図 細見美術館(増山雪斎旧蔵品)
葡萄図 エツコ・ジョープライスコレクション
白鶴図 双幅 個人蔵
竹梅双鶴図 エツコ・ジョープライスコレクション
鸚鵡図 和歌山・草堂寺
糸瓜群虫図 細見美術館
枯木鷲猿図 個人蔵
月梅図 メアリ・アンド・ジャクソン・パーク財団
虎図 エツコ・ジョープライスコレクション
旭日雄鶏図 エツコ・ジョープライスコレクション
雪芦鴛鴦図 エツコ・ジョープライスコレクション
花卉双鶏図 個人蔵
雪中遊禽図 個人蔵
紫陽花双鶏図 エツコ・ジョープライスコレクション
群鶴図 エツコ・ジョープライスコレクション
猿猴摘桃図 個人蔵
動植綵絵 三十幅 宮内庁三の丸尚蔵館
釈迦三尊像 三幅 相国寺承天閣美術館
鶏図押絵貼屏風 二曲一隻 黒川古文化研究所(明和年間 早め?)
樹下雄鶏図 イセ文化基金
旭日鳳凰図 宮内庁 御物 宝暦5年(1755年)
雪梅雄鶏図 建仁寺両足院
鹿苑寺大書院障壁画 京都府・鹿苑寺 宝暦9年(1759年)
仙人掌群鶏図 襖六面 大阪府・西福寺 重要文化財 (75歳落款)
蓮池図 六幅(旧襖六面) 大阪府・西福寺 重要文化財
菜虫譜 栃木 (77歳落款)
売茶翁像 大典顕常賛 木村蒹葭堂旧蔵品 個人蔵
山水図 大阪・西福寺 (85歳落款)
野晒図 大阪・西福寺 (85歳落款)
石燈籠図屏風 六曲一双 京都国立博物館
十六羅漢図 六幅 ボストン美術館
果蔬涅槃図 京都国立博物館
蔬菜図押絵貼屏風 六曲一双 個人蔵 (81歳落款)
蒲庵浄英像 京都・萬福寺 (82歳落款)
売茶翁像 木村蒹葭堂賛 個人蔵(83歳落款)
三十六歌仙図押絵貼屏風 六曲一双 デンバー美術館 (83歳落款)
旭日老松図 クラーク財団ルース・アンド・シャーマン・リー日本美術研究所 (85歳落款)
鷲図 エツコ・ジョープライスコレクション (85歳落款)
百犬図 京都国立博物館 (86歳落款)