内藤湖南 (ないとうこなん)
内藤湖南(1866~1934)は、秋田の儒者の家に生まれた。名は虎次郎、字は炳卿、湖南は号。
秋田師範学校を卒業後、小学校の訓導を務めたが、間もなく上京して操觚界(文筆に従事する人々の社会)に入った。大阪朝日新聞の記者を経て、京都帝国大学文科大学で東洋史学を担当し、文学博士となる。日本における中国学の基礎を築き上げた。また、頻繁に渡清し羅振玉や王国維ら多くの学者や文人と交流しながら見識を磨いた。
書については、王羲之の書を筆頭とする帖学の正統を高く評価し、書に関する論考も多い。主要な著述は『内藤湖南全集』全14巻に収録されている。