佐竹曙山 (さたけしょざん)
佐竹曙山(1748~1785)は、秋田藩7代藩主、佐竹義明の長男として江戸の藩邸で生まれる。宝暦8年、幼くして藩主となる。財政改革の一環として博物学に興味を持ち、また、藩主小田野直武とともに西洋画法を研究した。いわゆる秋田蘭画の主要画人である。秋田蘭画の成立については不明な点が多いが、平賀源内による示唆から生まれたと考えられている。安永7年には、日本初の西洋画法に関する画論「画法網領」「画図理解」を著す。繊細な筆致と美しい色合いによる花鳥画、風景画の優品を残した。裏彩色を写実的な表現の手段とするなど、その独自性も注目される。