白川芝山
桃林雅會図

Shirakawa Shizan
Landscape

掛軸 絹本 108cm×41cm(総丈195cm×55,5cm) 箱入

作品の状態について

画面、表装共に良い状態です。
大変描き込みの良い優品です。

園中彦會元豐客
筆力㧞山千歳新
痛飲弾琹坐青艸
狂歌𣑯 李一般春
　 白芝山併題

(読み)
園中の彦会 元豊の客、筆力 山を抜きて千歳新たなり。
痛飲 琴を弾きて青艸に坐る、狂歌の桃李 一般の春。
白芝山併せて題す。　

○彦会　秀才の集まり。　○元豊　中国・北宋の神宗の治世で用いられた元号。　○筆力　文章表現の力。　○痛飲　思う存分飲酒する。　○青艸　青々と茂った草。

(口語訳)
園中に集まっているのは、中国・北宋の神宗の治世で活躍した秀才たちである。彼らの詩歌の表現力は山を抜きんでて、この長い歴史の中で新しい。青草の上に座り、思う存分酒を飲んで琴を弾く。狂歌に詠われる桃李は春の訪れを告げる。

　中国では古くから、上巳節(旧暦3月の最初の巳の日、3月3日)は季節の変わり目で、災いをもたらす邪気が入りやすいと考えられていたため、水辺に出て禊ぎを行い、災厄や不浄を祓う習慣がありました。流水に盃を流して詩歌を詠む曲水の宴も行われていました。
　本作は、その上巳節に開かれている、文学や書画などに携わる秀才たちの風雅な宴遊を描いています。酒を飲みながら思い思いに詩歌を詠んだり、談笑したりしています。中には心地良く眠る者もいます。また、桃の木は邪気を払う効果があると言われ、円をなして座る秀才たちの真ん中にある桃の酒(桃の花を浸した酒)は飲むと万病を払うとされています。(Ｙ)

作家について

白川芝山（1759〜1850）は、淡路島に生まれた日本画家・書家。
渡辺崋山の画の師匠としても知られている。
はじめ書を学び書家として中国からの影響を受ける。
画の師匠は不明だが、長崎派、四条派、南画など...

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