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曾我蕭白
達磨図
Soga Shohaku
Daruma
掛軸 紙本 59,5cm×57cm(総丈155cm×59,5cm) 箱入
作品の状態について
画面に少しシミが出ていますが、鑑賞に影響するシミではないと考えています。
表装は良い状態です。
余白の取り方も面白い、蕭白らしい作品です。
面壁佛心祖
眼睛如電飛
是全身半影
寒月出山扉
咄
清風急兮清風急
天上人間知幾幾
大癡拜賛
(読み)
面壁 仏心の祖、眼睛 電飛の如し。
是れ全身半影なり、寒月 山扉に出ず。
咄
清風急なり 清風急なり、天上人間 知んぬ幾幾(いくばく)ぞ。
大痴拝賛。
○眼睛 ①ひとみ。眸子。②目の通称。③物事を見る力。 ○咄 叱咤の声、注意を促す声などの擬音語、また叱ることを意味する。 ○天上人間知幾幾 『碧巌録』第四十九則に見られる。
(大意)
壁に面して坐禅する達磨は仏心の祖、その眼睛は勢いが雷電のように振るっている。この図は達磨の半身像であり、寒々しく澄んだ月が山家の扉に現れるようだ。
こらっ。清風がにわかに吹き起こった時、天界にも人間界にも一体どれだけの人がとどまれるであろうか。
「奇想の絵師」や「無頼の画家」などと評される蕭白が得意とした達磨図は、しばしば白隠の影響を受けたことが指摘されます。この半身達磨図もその一つです。蕭白の展覧会や書籍でよく取り上げられる、畳の目があらわに見える達磨図とは違った趣が本作にはあります。
大胆な一筆描きのような衣紋線は軽と重を使い分けて濃く、達磨の顔貌は少し淡く表現されています。顔の半分を重厚感のある衣で覆い隠すように描かれた達磨は、冬の厳しい寒さを耐え忍ぶなか、少し顔を出して一点をじっと見つめています。その雷電のように鋭い眼光は、人の心を見抜いているようです。(Y)
作家について
曾我蕭白(1730~1781)は、京都の商家の生まれと伝えられる。伊勢方面での滞在もしられている。京狩野のながれを汲む高田敬輔の奇抜な画風を学び、奇怪で人を食ったような人物描写や、あふれんばかりの大胆な造...
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