渡辺清
富士図
Watanabe Kiyoshi
Fuji
掛軸 陳逸舟賛 絹本 31cm×83,6cm(総丈124cm×86,5cm)箱入
作品の状態について
画面に一箇所シミがありますが、鑑賞に影響するシミではないと考えております。
表装は描かれた当時のままのウブな表装です。
大変幅粋の良い一幅です。
来舶清人・陳逸舟の賛が入っています。
何物芙蓉落日寒
關中霽色綵雲端
青天一柱崢嶸出白
雪千秋突兀看
誰指僊衣懸縹渺
自疑玉女剖琅玕
于今名蹟山陰地
喚取驪駒問大丹
日本徂徠先生詩
道光十九年春日書
唐山陳逸舟
(読み)
何物の芙蓉 落日の寒、関中の霽色 綵雲端(ただ)し。
青天一柱 崢嶸として出で、白雪千秋 突兀(とっこつ)と看ゆ。
誰か指す僊衣を縹渺に懸ぐるを、自(おのずか)ら玉女の琅玕(ろうかん)を剖(さ)くを疑ふ。
今に于(お)いて名跡は山陰の地、驪駒を喚取して大丹を問(おく)る。
中国清代の画家陳逸舟が道光19年(1939年、日本は天保10年)に荻生徂徠の詩を賛として書いています。この詩は『徂徠集』巻三に「望嶽」と題して収められています。
徂徠は宝永7年(1706)、甲府藩主柳沢吉保に命じられて甲斐国(現在の山梨県)を見聞し、紀行文『風流使者記』『峡中紀行』を記しました。『峡中紀行』には本作の主題である芙蓉峰(富士山の別称)を観、「嶽形端正可愛」(富士の形は端正で愛するに値する)と記しています。
富士は単なる名山でなく、日本を象徴する風景で、古来より色々な場面で描かれ続け、「名所絵」や信仰の対象ともなっています。本作は、美しい綾のある雲が乱れることなく真っ直ぐになるほど晴れ渡った冬の時節、冠雪した富士が天高くそびえ立つ姿を描いています。横長の画面に遥かに望むように描かれているため、その姿が引き立てられています。(Y)
・荻生徂徠(1666-1728)
江戸中期の儒学者。初めは朱子学を学び、のち古文辞学を提唱し、門人に太宰春台や服部南郭らの実力者を育てた。徂徠の登場は、日本儒学の独自性確立と学問と政治の分離を促す一大転換点となった。著書に『政談』『弁道』など多数。
作家について
渡辺清(1778〜1861)は名古屋に生まれた日本画家。
別号・周渓、雪朝。
縫箔業を営む家に生まれる。
土佐派の土佐光貞に師事し日本画を学んだ。
また、田中訥言にも画を学び、復興大和派の画家として知られる。
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