仙厓
寿老人

Sengai
jyuro-jin

掛け軸　紙本　112,5×27cm（総丈199cm×27,5cm）二重箱入

作品の状態について

画面、表装ともに良い状態です。
表装締め直しを致しました。

帝堯辭而不受
仲尼求而執鞭
不求不辭
吾委諸天
(読み)
帝尭辞して受けず、仲尼求めて執鞭す。
求めず辞せず、吾諸天に委(ゆだ)ぬ。
※「諸」は「之於」の縮約語としても用いられるため、「吾諸(これ)を天に委ぬ。」と読むこともできます。

【帝尭】中国の伝説上の天子。舜と並んで中国の理想的帝王とされる。【仲尼】孔子の字(あざな)。【執鞭】鞭を持って馬車をあやつる。取るに足らない職務にある者のたとえ。【諸天】天上界にあって仏法を守護する神々。

　寿老人とは、七福神の一つで、長寿を授ける神です。頭が長く小柄な老人が鹿を連れ、巻物を先につけた杖を携えている姿でよく描かれます。また、長寿福徳のシンボルとされる桃を持っているのも特徴です。鹿は玄鹿と呼ばれ、長寿の象徴とされています。
　この作品は、珍しく亀に乗る姿を描き、寿老人は両手で宝珠を持っています。長寿を言祝ぐのに、寿老人と亀の組み合わせはこれ以上ないものと言えましょう。是非、そのような場面で掛けていただきたい作品です。賛の書きぶりは、画と同様にゆったりとした運筆と自然な潤渇の変化が線の深みや味わいといったものを生み出しており、耳をすますと揮毫する仙厓の息づかいが聞こえてきそうです。(Ｙ)

作家について

仙厓義梵（1750～1837）は、美濃に生まれる。博多の聖福寺の住職を長年つとめ、軽妙洒脱な禅画を描いた。あまりにも人気で揮毫の依頼が殺到するのに困り、「断筆宣言」をしたこともあったほどだった。「うらめし...

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