仙厓
大黒天図

Sengai
Daikoku

掛軸　紙本　94cm×26,5cm（総丈173cm×40cm）二重箱入

作品の状態について

画面、表装ともに良い状態です。
表装締め直しを致しました。

(読み)
福ならば袋に入て貯へろ
禍ひならば槌で一打

　大黒天は、密教では自在天の化身で、仏・法・僧の三宝を守り、戦闘をつかさどる神。のちに飲食をつかさどる神として寺院の厨房に祀られました。また、七福神の一つで、頭巾をかぶり、左肩に大きな袋を背負い、右手に打出の小槌を持ち、米俵の上に乗っている姿が一般的に知られています。日本の大国主命と神仏習合し、食物や財福の神として民間信仰に浸透しています。
　仙厓や白隠は民衆に仏教の教えを広めるため、ユーモアに富んだ禅画を数多く残しています。この大黒天はにっこりとこちらに笑いかけるようで、ふくよかというよりも表情や動作がかわいらしく、親しみやすく描かれています。書画ともに共通して墨の濃淡や線の太細の変化をつけることで紙面に奥行きを生み出しています。飾り気がなく、まっすぐなところに私たち観る側は魅了され、心が癒やされます。(Ｙ)

作家について

仙厓義梵（1750～1837）は、美濃に生まれる。博多の聖福寺の住職を長年つとめ、軽妙洒脱な禅画を描いた。あまりにも人気で揮毫の依頼が殺到するのに困り、「断筆宣言」をしたこともあったほどだった。「うらめし...

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