富岡鉄斎
墨梅図

Tomioka Tessai
Plum tree

掛軸　大田垣蓮月賛　紙本　105,5cm×25,5cm(総丈186cm×27,5cm) 箱入

作品の状態について

画面、表装共に良い状態です。

鶯のみやこに
　　いてんなかやとに
　　　　かさはやとおもふ
　　　　　　　　梅咲にけり
　　　　　　　　　　　蓮月

〈読み〉
鶯の 都にいでん 中やどに かさばやと思ふ 梅咲にけり

〈解説〉
　幕末から明治初めの尼僧・歌人・陶芸家として知られる大田垣蓮月（1791－1875）が和歌を書き、それに添える画を若き日の鉄斎が描いた合作です。鉄斎は20歳の頃から、蓮月の学僕として北白川の心性寺で寝食を共にし、その薫陶を受けました。蓮月との合作は、元和元年（1864）から蓮月が没する明治8年（1875）までの作例が知られています。
　本図は、画面下から天に向かってどこまでも伸びていきそうな梅の枝がとても印象的です。開花した梅の花、ふっくらと膨らむつぼみは春の訪れを感じさせます。蓮月の歌は、歌集『海人の刈藻』の春部に「梅」の詞書で収められています。(Ｙ)

作家について

富岡鉄斎（1836〜1924）は、京都に生まれた日本画家。

「万巻の書を読み 万里の道を行く」の座右の銘を実践した鉄斎の作品は、壮大なスケールと存在感を放っている。

画は勿論、国学・儒学を修め、幕末には...

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