画題の意味:鶉(うずら)
描かれている内容が理解できれば絵画鑑賞はより一層楽しくなります。
今回は鶉について解説します。
鶉について
鶉は、中国では「鵪(an)」と書き、「安」と同音である事から「平安」安らかさを意味します。
中国・北宋時代から明時代に多くの画家が鶉図を描き、安らかを意味する「安和図」と名付けられた絵があり、吉祥のシンボルとして好まれました。
鶉図は日本にも輸入され、江戸前期の画家・土佐光起が多くの鶉図を残しました。以後、土佐派を中心に和歌の世界の鶉の意味も含めて描かれました。
粟や菊と鶉を組み合わせて描くことで「五穀豊穣」、「子孫繁栄」を祈願したとされます。
参考作品:
土佐光起「鶉図」
斉藤秋圃「鷹鶉図」
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