画題の意味:布袋
描かれている内容が理解できれば絵画鑑賞はより一層楽しくなります。
今回は布袋について解説します。
布袋について
布袋は、中国・唐代末から五代時代にかけて実在したとされる伝説的な僧。
未来の救世主・弥勒の化身として禅宗で信仰を集めました。
禅宗で、正当な法系に属さず、その行状が人々に仏法の真理を目覚めさせる人物を「散聖」といい、布袋の事ををさす場合があります。
大きい袋に日用品一切を入れ、ところ構わず眠り、市中を歩いて吉凶や天気を占ったといいます。
富貴繁栄をつかさどる存在として、広い度量や円満な人格から和かな表情をした布袋図が中国や日本において多く描かれました。
参考作品:
松花堂昭乗「布袋図」
越渓守謙「指月布袋図」
カテゴリ:画題の意味