岩橋英遠 (いわはしえいえん)
岩橋英遠(1903~1999)は、昭和から平成に活躍した日本画家。本名は英遠(ひでとお)。北海道に生まれる。山内多門と安田靫彦に師事し、院展を中心に活躍。大自然をテーマにした風景画を多く描いた。
大正6年に北辰尋常高等小学校卒業。21歳で上京し、大正13年から山内多門に教えを受ける。昭和9年に新日本画研究会の結成に参加。同年、院展で初入選した。昭和12年に歴程美術協会を結成し、昭和20年からは安田靫彦に師事。
その後も院展を中心に活躍し、昭和24年に「砂丘」で奨励賞・白寿賞、昭和25年の「明治」と昭和26年の「眠」が大観賞、昭和29年に「庭石」で芸術選奨文部大臣賞、昭和34年に「蝕」が文部大臣賞、昭和47年に「鳴門」が日本芸術院賞を受賞した。昭和28年には日本美術院同人に推挙され、昭和56年に日本芸術院会員となる。日本美術院常務理事・評議員も務めた。
また、昭和33年から昭和45年まで東京藝術大学で後進を指導。昭和43年に東京藝術大学教授となり、昭和61年には名誉教授となっている。
昭和42年からは法隆寺金堂壁画模写にも参加。昭和54年に第20回毎日芸術賞を受賞。同年、勲四等旭日小綬章を受章。平成元年に文化功労者、平成6年に文化勲章を受章している。
他に「彩雲」「残照」「道産子追憶之巻」等の作品がある。