遂翁元盧
関羽像

Suio Genro
Guan Yu

掛軸　絹本　81,5cm×26,5cm(総丈165cm×38,5cm) 箱入

作品の状態について

画面、表装共に大変良い状態です。
水墨画を多く残した遂翁の、彩色で描かれた優品です。

忠膽摩漢
蒙氣薄雲
昭烈帝弟
関羽将軍

(読み)
忠胆 漢を摩し、蒙気 雲を薄くす。
昭烈帝の弟、関羽将軍なり。

(大意)
忠義の心で蜀漢をいっそう輝かせ、天の気で空を明るくさせる。この男が、昭烈帝劉備の義弟の関羽将軍である。

◯忠胆　忠義の心。　◯蒙気　天の気。大気。空気。　◯昭烈帝　三国の蜀漢の建国者である劉備(161−223)のこと。諡が昭烈帝。

【解説】
　中国三国時代の武将関羽( ?−219)は、蜀漢の劉備に仕え、赤壁の戦いで曹操の軍を撃破するなどした、伝説的な英雄です。後世、神格化され、軍神または財神として崇められ、各地に関帝廟が建てられました。日本では、文武両道に長けた理想の武人像として、端午の節句の五月人形や幟旗などに描かれました。
　本作は、美髯をたくわえ青龍偃月刀を持つ関羽の姿が描かれています。端午の節句(5月5日)に男の子の健やかな成長を願って飾っていただける作品です。(Ｙ)

作家について

遂翁元盧(1717-1790)は、下野に生まれた江戸後期の臨済宗の僧。
初号は慧牧、遂翁は字。延享3年（1746年）に駿河松蔭寺で白隠慧鶴に入門して教えを受けた。東嶺円慈、霊源慧桃、大休慧昉と共に白隠門下四天王の...

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