菅楯彦
大将軍

Suga Tatehiko
Shogun

掛軸　絹本　各141cm×27,5cm（総丈各218cm×39,5cm）共箱　二重箱入

作品の状態について

左幅右上に少しシミがありますが、鑑賞に影響するシミではないと考えております。
大変状態が良く、表装も良い裂が使われています。
大変書き込みが良く、5月掛けにぴったりの掛軸です。

守則不足攻
則有餘
善守者
蔵於九地
之下善攻
者動於九天之上
(読み)
守は則ち足らざればなり、攻は則ち余り有ればなり。善く守る者は九地の下に蔵(かく)れ、善く攻むる者は九天の上に動く。
(現代語訳)
守備をするのは戦力が足らないからで、攻撃をするのは余裕があるからだ。守備が上手な者は大地の底の底にひそみ隠れ、攻撃が上手な者は天界の上の上で行動する。

　中国最古のすぐれた兵法書として、また人間界の鋭い洞察の書として親しまれる『孫子』の形篇一節が書かれています。その篇には、自軍は不敗の態勢を維持しながら、敵軍が敗北を招く態勢になるのを待ち受け、無理なく勝利すべきことが説かれています。
　楯彦の独創的な画態はもちろん、書態や構図には、鑑賞者がより深く絵を楽しめるよう工夫が凝らされています。賛は軽妙ながらも力強さも存在する筆致で書かれています。本作は人々から愛された絵も書も同時に楽しむことができます。(Ｙ)

作家について

菅楯彦(1878〜1963)は鳥取県に生まれた日本画家。
画は独学で学んだ。
有職故実を研究し、歴史画や大阪の風物画を描いた。
大阪市名誉市民。

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