夏目漱石
柳の句
Natsume Soseki
Poem
掛軸 絖本 121cm×34cm(総丈199cm×48cm)共箱 自筆書簡封筒附
作品の状態について
画面、表装共に良い状態です。
表装締め直しを致しました。
(俳句)
有(う)や無(む)やの柳近頃緑なり
(手紙)
拝啓 塩原で約束したものを今日小包で送りましたから受取つてください。うまくは出来ませんでした。中に書いてある発句は うやむやのやなき近頃みどりなり と読むのです。三本青いものが見えるのは柳の枝が風に吹かれてゐる所とご承知を願ひます。実はもう一枚、黄菊を画いたのですが愚妻が見て此方の方があっさりしてよいといふから柳の方を差上ます。先は右迄さよなら
九月十五日 夏目金之助
柴田鈴様
(封筒表)
京橋区日吉町十
柴田鈴様
(封筒裏)
牛込早稲田南町
〆 夏目金之助
九月十五日
大正元年(1912)9月15日付の手紙と書き与えた書画の内容が一致するものは珍しく、漱石の書画の中でも際立って良いものです。また、柴田鈴に宛てた手紙は書簡集や作品集に収録されておらず、貴重な新資料と言えます。
漱石は明治末年に出会った津田青楓を画の師と仰いでいます。風に吹かれる柳の枝を描いたこの画は、ちょうど南画創作に熱中していた頃に制作されました。俳句は明治31年(1898)、漱石31歳の時に作った句で『漱石俳句集』に収められています。
手紙の後半「実はもう一枚、黄菊を…」は、妻の鏡子が登場してこの柳の画を贈るまでの過程を知ることができて面白い箇所だと思います。手紙には筆者のその時の心情があらわに出るものです。行間が広くゆったりしたこの手紙は、約束していたものを贈るということもあって、相手のことを思いながら書いたものでしょう。気構えることがない自然体の漱石、ありのままの書を堪能できます。手紙(手書き)を書く機会が減っている現代にこのような手紙と出会うと、手書き文字の良さと必要性を改めて感じます。(Y)
作家について
夏目漱石(1867~1916)は、江戸牛込馬場下横町の夏目直克の五男として生まれた。名は金之助。幼時、塩原家の養子となるが、生家に戻り、21歳で夏目姓に復した。府立第一中学に入学したが、二松学舎に転じて漢詩...
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