月舟宗胡
山置字

Gessyu Soko
Calligraphy

掛軸　紙本　39,3cm×60,5cm(総丈120cm×72,6cm) 箱入

作品の状態について

画面が少しアレています。
表装は良い状態ですが、少しかたい巻き心地です。

　山
入煙雲半有
無驀然風雨
暗平湖　　　　　　
　月舟書

〈読み〉
山は煙雲に入り 半ば有無、驀然（ばくぜん）たる風雨は平湖暗し。
　月舟書す。

〈語注〉
◯驀然＝にわかに起こるさま。

〈大意〉
山が靄の中に入って、半分見えたり見えなかったりすると、直ちに雨や風で広い湖が真っ暗になった。

〈解説〉
　揮毫される内容は、唐宋人の七言絶句を集めた選詩集『聯珠詩格』に収録される、葉苔磯「西湖、雨に値ふ」の第一・二句。視覚的な美しさと自然の移ろいを詠んだ句です。
　最初の「山」の一字は墨の滲みを活かして大書され、墨の跡が生き生きとして瑞々しい。靄の中でぼんやりとかすむ大きな山の姿を表現しようとしたのかもしれません。あとは、小さな筆で流麗に書かれています。(Ｙ)

作家について

月舟宗胡（1618〜1696）は、佐賀県出身の曹洞宗の禅僧。
江戸時代を代表する曹洞宗の禅僧。
多くの弟子を輩出し、道元への回帰を目指して「宗統復古」を成就し、曹洞宗中興の祖として高く評価されている。
門...

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