白隠慧鶴
寿老人

Hakuin Ekaku
Jurojin

掛軸　紙本　128cm×28cm(総丈209cm×38cm) 西村南岳箱書

作品の状態について

画面、表装ともに大変良い状態です。
表装締め直しを致しました。
80歳代に描かれた大変出来の良い名品です。

壽　ながひ＼／と皆様
　　　　　　　　おしやる
　　　わしは左程にや
　　　　　思わぬに

〈読み〉
寿　ながひながひと皆様お（っ）しゃる わしは左程にや思わぬに

〈解説〉
　寿老人は、日本では七福神の一人で、長寿を授ける神です。中国では古くから南極老人星の化身とされ、道教の神仙として信仰されてきました。頭が長く、小柄な老人が鹿を連れ、経巻を先につけた杖を携える姿でよく描かれます。
　本図は、濃墨で壽字と、寿老人の矮軀（わいく＝背丈の低いからだ）と拄杖（しゅじょう＝僧の携える杖）を描いています。なんと言っても頭の長さが際立ちます。この長さは「寿（いのちながし）」を表しています。「寿」は、今では「ことぶき」と読むのが一般的ですが、昔は「いのちながし」と読んでいました。ここでは、長寿を希求する言葉として使われています。画賛に対して、「いくら何でも長すぎる」と思わず突っ込みたくなるような滑稽さも備えた作品です。(Ｙ)

作家について

白隠慧鶴（1685～1768）は、日本臨済禅中興の祖と称される重要な禅僧。
駿河に生まれた。15歳で出家、臨済宗の禅僧となる。各地を巡歴して修行を積み、33歳で郷里の松陰寺に帰り、住職なる。本格的に書画を手が...

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